ウクライナ支援、増強急ぐ 「あらゆる手尽くす」―欧州各国
(VOVWORLD) - 2月下旬に総選挙が行われたドイツでは、連立協議中の左右2陣営が4日、国債発行額の制限を緩和するなどの財政規律見直しで合意したと発表しました。これにより、ウクライナへの武器供与を拡充する見通しです。
欧州各国は、ウクライナへの支援強化を急いでいます。ウクライナにとって軍事面での主要な支援国だったアメリカが支援を停止したことで、欧州内の危機感が一層高まっている状況です。欧州連合(EU)の取り組みに連動し、各国レベルでの動きも活発化しています。
2月下旬に総選挙が行われたドイツでは、連立協議中の左右2陣営が4日、国債発行額の制限を緩和するなどの財政規律見直しで合意したと発表しました。これにより、ウクライナへの武器供与を拡充する見通しです。
両陣営は新政権の発足を待たずに、来週にも関連法案を議会に提出する予定です。次期首相候補とみられるメルツ・キリスト教民主同盟(CDU)党首は、「国防のためにあらゆる手を尽くす」と述べました。
アイルランド政府は4日、海外派兵の前提条件としてきた国連安全保障理事会の決議を不要とする改正法案を閣議決定しました。これは、ウクライナでの停戦後に想定される平和維持活動への参加を検討するための措置です。現行制度では、国連安保理の常任理事国であるロシアの承認が必要であり、ハリス外相兼国防相は「奇妙な状況だ」と指摘しました。
アイルランドは軍事的中立政策を掲げ、北大西洋条約機構(NATO)には加盟していません。政府の方針変更には国内で賛否の声が上がっています。
EU非加盟のノルウェーでは6日、ストーレ首相がウクライナへの財政支援と自国の防衛費の大幅増額を発表しました。
同国の政府系ファンドは運用資産が19兆クローネ(約260兆円)を超え、世界最大級の規模を誇ります。ウクライナでの紛争を背景に天然ガス価格が高騰し、大量の資源マネーが流入していることを受け、和平への積極的な貢献を求める声が国内外で高まっていました。
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のマルコム・チャルマース副所長は、アメリカのABCニュースに対し、ウクライナ軍が前線で使用する装備のうち55%は国産、25%は欧州からの供与であり、アメリカの負担割合は約20%に低下していると指摘しました。その一方で、「最も殺傷能力が高く、重要な装備はアメリカ製であり、支援停止の影響は徐々に広がるだろう」と警告しています。(時事通信)