軍事情報共有アプリを巡る問題で公聴会 トランプ大統領は重要視せず
(VOVWORLD) - 中央情報局(CIA)のラトクリフ長官とギャバード国家情報長官は、連邦議会上院の情報委員会でこの件について証言しました。両長官は、問題となっているグループチャットの中に機密情報は含まれていなかったと強調しました。
ワシントンD.C.のホワイトハウスで記者会見を行うアメリカのドナルド・トランプ大統領(写真:THX/TTXVN) |
アメリカの政権高官が軍事情報をやり取りするグループチャットに、誤って記者を追加したとされる問題について、トランプ大統領はアメリカの安全保障は「かつてないほど強固になっている」として、安全保障担当の補佐官を擁護する姿勢を示しました。
この問題は、アメリカの雑誌「アトランティック」が、トランプ政権の閣僚らが安全性に欠けるプラットフォームを用いて、イエメンの反政府組織フーシ派に対する攻撃に関する詳細な作戦計画を協議していたと報じたことに端を発しています。
中央情報局(CIA)のラトクリフ長官とギャバード国家情報長官は、連邦議会上院の情報委員会でこの件について証言しました。両長官は、問題となっているグループチャットの中に機密情報は含まれていなかったと強調しました。
アトランティック誌によりますと、協議に使われたチャットアプリ「シグナル」に記者を誤って追加したのは、ウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官とされています。トランプ大統領は記者団に対し、ウォルツ補佐官が謝罪する必要はないとの認識を示し、「非常に素晴らしい人物だ」と信頼を示しました。さらに、ウォルツ氏は引き続き良い仕事をすると述べ、今回の情報流出に対する連邦捜査局(FBI)の捜査についても「正当なものではない」と批判しました。また、誤って追加された記者ゴールドバーグ氏に対しては、「卑劣な人物だ」と強い非難を口にしました。
上院で開かれた公聴会では、民主党の議員から激しい追及が相次ぎました。ラトクリフ氏とギャバード氏は、繰り返し「チャットには機密情報は含まれていなかった」と答弁しましたが、作戦の詳細が機密情報に該当するかどうかの判断については、ヘグセス国防長官の権限にあると回答しました。FBIのパテル長官は、国家安全保障に関する情報が漏えいしたかどうかの調査の有無については明言を避けました。
ヘグセス国防長官は、閣僚の中に「戦争計画をテキストで送信した者はいない」と述べ、ホワイトハウスのレビット報道官もこの発言を繰り返しました。
一方、上院情報委員会のコーニン議員(共和党)は、シグナルでのやり取りについてさらなる調査の必要性を訴えました。委員会副委員長のワーナー議員(民主党)は、証言した情報当局者が事件の重大性を認識していないと批判し、ヘグセス国防長官に辞任を求めました。(CNN.co.jp)