(VOVWORLD) - ベトナム中部を襲った台風ブアローイによる被害が拡大しています。本日午前11時現在、台風と大雨による洪水や土砂崩れで、40人以上が死亡または行方不明となっています。
被害は広範囲に及んでおり、数十万棟の家屋が損壊、数万ヘクタールの稲作・農作物が冠水しました。水産養殖場も約7,300ヘクタールが被害を受けています。また、堤防や河川堤防、海岸が6,400メートル以上崩壊し、タインホア省、ゲアン省、ハティン省、クアンチ省では広範囲で停電が続いています。
鉄道は安全確保のため一部の列車運行を停止し、タインホア駅からチュオンラム駅間ではバスによる振替輸送を実施しています。
ハティン省では土砂崩れの危険がある地域の住民を緊急避難させるため、現地部隊の動員を要請しました。フオンソン村のグエン・ティエン・ティック人民委員会副委員長は、復旧作業を急いでいると述べ、次のように話しています。
(テープ)
「引き続き各部隊を動員し、集落に集中して住民の生活支援を確保します。第二に、主要道路や集落の農村道路の通行を確保するため障害物を除去します。その後、学校や診療所などとともに、台風・洪水後の通常業務を回復させるため、すべての部隊を動員します」
一方、北部地域では台風の影響でハノイやフート省、タイグエン省、トゥエンクアン省、ラオカイ省などで大雨が降っています。山間部や奥地では道路が寸断され、土砂崩れが発生しています。各地方行政府は危険箇所の確認を進め、住民の安全確保に努めています。
ラオカイ省ハインフック村のザン・ア・スア人民委員会副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「住民に安全な場所への避難を呼びかけています。当局が土砂崩れ、鉄砲水、土石流の警告を出した場所への立ち入りは厳禁です」
トゥエンクアン省では本日、ロ川とガム川の水位が上昇しており、複数の地域が浸水、住民の生命と財産に危険が及んでいます。
また、ハノイでは大雨により広範囲で冠水が発生し、交通が麻痺しています。ノイバイ空港では90便以上が目的地変更や着陸待機を余儀なくされました。