「ハノイへの愛のためのブイ・スアン・ファイ賞」の第18回授賞式が3日夜、ハノイのチャンティエン通り45番地にある展示ホールで行われました。主催者は5部門の受賞者を発表し、その中で最も権威ある「大賞」は音楽家チャン・ティエン氏に授与されました。

音楽家チャン・ティエン氏（中央）（写真：主催者）

チャン・ティエン氏は、自由で創造的な作風と豊かな即興性に加え、文化や記憶への深いまなざしによって、現代ベトナム音楽に独自の足跡を残してきた作曲家です。彼の作品の中でハノイは、単なる首都という地名にとどまらず、幼少期の思い出の空間であり、北部の民俗文化の流れ、日常の街並み、そして古都タンロンの西に位置するドアイ地域の情景として描かれています。

音楽研究者グエン・クアン・ロン氏によりますと、チャン・ティエン氏がハノイを題材にした代表曲群を見れば、彼の創作の源泉は「文化の三角地帯」であるホン川、旧市街、ドアイ地域の結びつきにあることが分かると述べました。これらは単なる地理的空間ではなく、三層の文化、三つのインスピレーションが融合し、彼の音楽におけるハノイの姿を形作っていると評価しました。

授賞式の様子（写真：主催者）

今回の授賞式では、この「大賞」のほか3部門で4つの賞が贈られました。「作品賞」部門では、画家ファム・ビン・チュオン氏による20年にわたり制作された「ハノイを描く」連作と、ベトナム青年劇場によるミュージカル「大地からの炎」が選ばれました。