ベトナムのテクノロジーエコシステムの潜在力を解き放つ

(VOVWORLD) - 2025年人工知能・半導体国際会議を初めて開催することで、ベトナムは半導体とAI分野における最新の技術動向を直接取り入れ、世界のサプライチェーンにおける役割をより強固なものにする機会を得ることになります。

3月12日から16日まで、ハノイと中部港湾都市ダナンで、「未来の創造:AIと世界の半導体技術の連携」をテーマとする2025年人工知能・半導体国際会議(AISC 2025)が開催されます。これは、ベトナムが先端技術の動向を把握し、国際協力を促進し、国内のテクノロジーエコシステムの発展を加速させるための重要なイベントです。

ベトナム共産党中央委員会政治局の決議第57号では、科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションを持続可能な成長の主要な原動力とすることが明確に示されています。特に、AIと半導体はベトナムが重点的に推進している分野であり、同会議の開催は、これらの戦略目標を具体化するための重要な一歩となります。

世界のテクノロジー企業を迎える準備

NIC=国家イノベーションセンターのヴー・クオック・フイ所長は、この会議の開催は、ベトナムが世界のテクノロジー企業と連携する準備が整っていることを示していると述べ、次のように語りました。

(テープ)

「国家イノベーションセンターは、半導体および人工知能分野におけるエコシステムのさまざまな要素を結びつけ、国内外のパートナーシップを拡大し、ベトナムにおける同分野の発展を促進したいと考えています。これにより、科学技術とイノベーションの分野において新たな飛躍をもたらし、国の発展に貢献できると期待しています」

ベトナムのテクノロジーエコシステムの潜在力を解き放つ - ảnh 1国家イノベーションセンターのヴー・クオック・フイ所長(写真:qdnd.vn

2025年人工知能・半導体国際会議には、Google、Intel、TSMCをはじめ、シリコンバレー、中国・台湾、韓国、日本、インド、中国の大手テクノロジー企業のリーダーや投資家合わせて1000人以上が参加する予定です。会議では、半導体製造におけるAIの応用、AIによるチップ設計、半導体とAIの相互作用、グローバルな協力戦略などが主要なテーマとなります。

ベトナム、ハイテク産業の有望な拠点へ

ブルームバーグの市場調査部門「ブルームバーグ・インテリジェンス」によりますと、世界の半導体市場は昨年末に5000億ドル規模に達し、今年は7000億ドルを超える見通しです。AIがその成長の主軸となる中、安定した政治環境、投資優遇政策、若年層の豊富な労働力を背景に、ベトナムはIntel、Amkor、Qualcomm、Synopsys、NVIDIAなどの大手テクノロジー企業にとってますます魅力的な投資先となっています。これらの企業がベトナムに研究開発センターやAIデータセンターを設立する動きは、同国のテクノロジー産業発展の重要な推進力となっています。

ベトナム駐在オランダ大使館のトーマス・ケーニヒス大使は、次のように評価しました。

(テープ)

「ベトナムは世界の半導体サプライチェーンにおいて重要な役割を果たす国として浮上しています。チップ設計やパッケージング、テスト分野で顕著な進展を遂げていますが、半導体製造装置のサプライチェーンにおける潜在的な機会は、まだ十分に活用されていません。そのため、国際協力が極めて重要であり、オランダもこの機会に積極的に協力していく方針です」

また、アメリカの銀行持株会社「JPモルガン」のASEAN担当エコノミスト、ランジャン・シャルマ氏は、次のように述べています。

(テープ)

「東南アジアにおけるAIの発展を語る上で、ベトナムは欠かせない存在です。この国は年間約30%の成長率を誇り、AI分野において非常に大きな可能性を秘めています。テクノロジー分野の人材も急速に増加しており、多くの企業がクラウドコンピューティングやAIに対する投資を強化しています。私は、ベトナムがこの地域におけるAI分野のリーダーとなる可能性を十分に持っていると考えています」

2025年人工知能・半導体国際会議を初めて開催することで、ベトナムは半導体とAI分野における最新の技術動向を直接取り入れ、世界のサプライチェーンにおける役割をより強固なものにする機会を得ることになります。このイベントは、ベトナムが国際協力を一層推進し、将来的にAI強国を目指すという明確なメッセージを発信する場ともなります。

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