英ユダヤ教会堂襲撃は「テロ」 射殺の容疑者はシリア系英国人か

(VOVWORLD) - イギリスのメディアによりますと、マンチェスターでは今年2月にも、ユダヤ系男性がシナゴーグを出た直後に背後から瓶で殴られ、顔を負傷する事件が発生しています。
英ユダヤ教会堂襲撃は「テロ」 射殺の容疑者はシリア系英国人か - ảnh 1イギリス・マンチェスター北部で2025年10月2日に発生した襲撃現場で活動する救助隊員(写真:REUTERS/Phil Noble)

イギリス中部マンチェスターで2日朝(日本時間2日夕)、シナゴーグ(ユダヤ教会堂)の前にいた人々が車と刃物で襲撃され、2人が死亡した事件について、警察は同日、テロと断定しました。現場で警官に射殺された容疑者はシリア系イギリス人の35歳の男性とみられ、他にテロ行為の依頼や準備、教唆の疑いで30代の男性2人と60代の女性が逮捕されたと発表しました。警察は犯行の動機などを調べています。

地元警察によりますと、容疑者は車で人々に突っ込んだ後、刃物で襲撃を行い、さらに多くの信者が集まっていたシナゴーグ内にも入ろうとしましたが、中にいた警備員と信者、そして駆けつけた警官によって侵入は阻止されました。この日はユダヤ教で最も神聖とされる祝日「ヨムキプール」(贖罪の日)でした。

死亡した2人は男性で、身元の確認が進められています。他に3人が重傷を負って入院しています。また、容疑者は爆発物のような装置を身に着けていましたが、「実用性のないもの」だったとされています。現場では、爆発物処理班が容疑者の車を捜索中に爆発音が鳴りました。

スターマー首相は訪問先のデンマークから急きょ帰国し、閣僚らとの緊急会議を開きました。その後の演説で「反ユダヤ主義の憎悪が再び高まっている。イギリスはそれを打ち破らなければならない」と訴え、ユダヤ系コミュニティーを守るため警官の配備を強化する考えを示しました。スターマー氏の妻ビクトリアさんもユダヤ系です。

イスラエルのネタニヤフ首相は2日、X(旧ツイッター)で遺族らに哀悼の意を表した上で、「私が国連で警告したように、テロに対して弱さを見せれば、さらなるテロを招くだけだ。強さと団結だけがテロを打ち破れる」と述べました。

イギリスのメディアによりますと、マンチェスターでは今年2月にも、ユダヤ系男性がシナゴーグを出た直後に背後から瓶で殴られ、顔を負傷する事件が発生しています。ロンドンでも今年、シナゴーグへの侵入や器物損壊などの事件が散発的に起きているということです。(毎日新聞)

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