輸出品の商標づくり

 現在、ベトナムのいくつかの輸出品目は世界各国でよく知られていますが、輸出品の商標づくりが適切な投資と関心を受けていません。こうした事情を踏まえ、先ごろ、政府は2011年から2020年期の輸出発展戦略に、国家商標づくり計画を盛り込み、 国際市場における国内企業の地位の確保と輸出品の価値の向上を狙っています。

 2011年、ベトナムの輸出額は960億ドルを超えましたが、今年は1100億ドルに達すると見積もられています。現在、東南アジア地域で、ベトナムは輸出大国となっています。この数年、ベトナムの農産物や水産物など、主力輸出品の輸出量は世界のトップとなっています。また、ベトナムは米輸出大国の中で、1位に立っており、輸出量は年平均600万トンないし700万トンに達しています。他方、ベトナムのチャという魚は国際市場で大きなシェアを占めています。一方、ベトナムはブラジルを追い越し、世界第一のコーヒー輸出大国へと成長しました。

輸出品の商標づくり - ảnh 1


また、コショウ、カシューナッツ、ゴムなどの輸出も大きな伸びを見せています。ただ、多くの輸出品の商標は国際的な知名度を博していません。ベトナムのチャ魚は125カ国に出荷されていますが、消費者は輸入業者しか知りません。また、ベトナムの米の輸出が世界のトップですが、強力な商標がついていません。その理由として、各企業は商標づくりに適切な関心を寄せておらず、また、輸出企業は殆ど、中小企業で、財政的に限界があることから、商標づくりが困難だということです。また、市場の動きや商標の保護を目指す法的裏づけなどに関する情報不足は大きな問題となっています。輸出を研究する専門家のマイ・ティ・ズエンさんは次のように話しました。(テープ)

 「企業は商標づくりを第一の課題に位置づけ、関心を寄せなければなりません。商標づくりは企業のイメージやシンボルマークづくりだけでなく、製品の質、製造工程、企業の威信などの問題も含んでいます。」

ズエンさんはこのように話しました。

輸出品の商標づくり - ảnh 2

世界経済への参入が進んでいる現在、輸出品の商標づくりは企業にとって、必至の問題となっています。ベトナムコショウ協会のド・ハーナム会長は次のように語りました。
(テープ)

 「輸出に携わる企業はいずれも 知名度が高い商標がつくれることを望むでしょう。というのは、ブランド名を持つ製品の価格は同じ種類の製品を上回り、ひいては倍となることもあるからです。それで、商標づくりと持続性の確保は非常に重要な課題となっています。」

ナム会長はこのように語りました。

 こうした中、政府は輸出品の商標発展総合戦略を作成し、企業間の連携の強化と国家的知名度がある製品の生産を目指しています。また、各レベルの管理者と企業は国家商標づくりと商標づくりにおける企業の援助への認識を向上させてきました。輸出品の商標づくりに関するコンサルタントを提供するア・ホアン法律事務所のグエン・ミン・フオン所長は次のように述べました。

(テープ)

 「現在、政府はベトナム商標づくり・保護援助計画を用意し、その中で、企業に対し、知的財産を製品の付加価値を増やすものとして活用するよう奨励します。援助計画は商工省が提唱した国家商標づくり計画に端を発し、科学技術省を代表する知的所有権保護局が作成した企業の知的所有権保護計画などを通じて実施され、企業に対し、製品の輸出や商標の保護に関心を払うよう奨励するものです。」

フオン所長はこのように述べました。

輸出品の商標づくり - ảnh 3

これまで、輸出を行うベトナムの多くの企業やグループは商標づくりを精力的に進めてきました。紡績縫製部門はその一例です。以前、同部門は製品の加工に集中しましたが、現在、輸出品の割合は製品全体の30%を占め、2014年までに、50%に増えると見込まれています。なお、多くの企業にとって、知名度の高い商標づくりは輸出品の質と価値の向上だけでなく、輸出の持続的な発展の要求にも応えるためのものであるとしています。

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