グローバル化にさらされているアジアの未来

(VOVWORLD) -この会議では、グローバル化と世界経済への参入がもたらす試練を乗り越え、新たな安定や持続的な成長に向かうためにアジアは何をすればよいかを議論しました。

第23回を迎える今年の「アジアの未来」のテーマは「岐路に立つグローバリズム・アジアはどう行動するか」となりました。この会議では、グローバル化と世界経済への参入がもたらす試練を乗り越え、新たな安定や持続的な成長に向かうためにアジアは何をすればよいかを議論しました。

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国際社会への参入に先頭に立つアジア

2000年代以来、地域内の協力に新しい時代が切り開かれました。中国が自国の影響力の拡大、複数のFTA=自由貿易協定の締結、及び、東南アジアにおけるインドのプレゼンスは地域の未来に重要な意義を持っています。

アジアの台頭には世界で最もダイナミックに発展しているシンガポール、世界の11番目の世界大国になった韓国、また、高い経済成長率を維持し、世界で2番目の経済大国・中国などは重要な役割を担っています。

近年、地域の経済参入が急速に進められてきました。TPP=環太平洋経済協力会議、又は、RCEP=東アジア地域包括的経済連携など大規模なFTAが締結されていました。

現在、150件のFTAを締結したアジアは世界の58%のFTA協定を占め、世界経済への参入に先頭に立っています。注目すべきことは昨年、中国の主導で、アジアの殆どの国々と西側諸国の幾つかが参加したAIIB=アジアインフラ投資銀行が発足したということです。

そして、最近、中国は同国からヨーロッパまでユーラシアを横断する巨大経済圏構想「一帯一路」という国際会議を主催しました。これらはアジア地域の協力に対する中国の戦略的ビジョンを示しています。その他、インドのプレゼンスはアジア地域における注目すべきことの一つです。インドはASEAN地域フォーラム、東アジアサミット、ASEAN国防大臣拡大会議などに出席しました。

ASEANに対して、1991年以来、インドはASEANとの協力を東方政策の一部と見なしています。現在、ASEANは中国、EU=欧州連合、アメリカに次いで、インドの4番目の貿易相手となっています。

一方、ASEAN経済共同体の誕生は貿易分野における東南アジア諸国の連携と参入の成功の一例とされています。ASEAN協力は地域内諸国の障壁を撤廃するだけでなく、域外への影響力を拡大させることにも示しています。現在、ASEANは世界で4番目の輸出地域となっており、世界全体の輸出総額の7%を占めています。

試練も多く伴う

しかし、潜在力とチャンスには危機や試練が伴うものです。領土紛争とローカリゼーション、あるいはナショナリズムなどの問題が浮上し、地域の参入過程に支障を来しています。テロの危機、朝鮮半島におけるミサイルの実験、東シナ海、ベトナム東部海域、いわゆる、南シナ海における緊張情勢などは海上航行の自由、安全保障を脅かしています。これと同時に、気候変動と疫病、自然災害の惨禍は地域内諸国に人的物的被害をもたらす他、世界各国の文化の取り入れはアジアの独特な文化に悪影響を与える危機もあります。

これらの試練を前に、最近、東京で開かれたアジア未来会議に出席したアジアの指導者らはいずれもアジアのそれぞれの国は平和、繁栄のアジアのため行動しなければならないとしています。これを実現するため、まずはじめに平和、安定した環境を維持しなければなりません。そのため、それぞれの国々は平等、互恵、及び、国際法を基礎に、責任感を高め、地域内の対立や相違点を解決する必要があることでしょう。

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