(VOVWORLD) - 今年、シプシ祭りは、国家無形文化遺産に認定されたことで、さらに特別な意味を持つようになりました。
旧暦7月14日にあたる8月17日、北部山岳地帯ソンラ省フーイエン県に住む少数民族白タイ族の人々が、シプシ祭りを祝いました。今年は特に、シプシ祭りが国家無形文化遺産として認定され、喜びも倍増しました。
祭りに参加した白タイ族の人々や国内外の観光客 |
早朝から、白タイ族の人々や国内外の観光客がフーイエン県クアンフイ村に集まり、祭りに参加しました。儀式は村の伝統的な家屋から始まり、歴史文化遺産に認定されたチュ集会所まで続きました。
シプシとはタイ語で14を意味し、この祭りは白タイ族特有の風習です。先祖への敬意を表すと同時に、大人が若い世代に特別な関心を寄せる機会でもあることから、「子供祭り」とも呼ばれています。この日、子供たちは水牛の放牧時におこわ「ソイ」や肉、チマキ「バインイット」を持参し、両親から新しい服をもらうのが習わしです。
シプシ祭りは、白タイ族の伝統文化や独自の製品を紹介する機会にもなっています。特に有名なのが、この祭りでのみ作られる「バインイット」です。ソンラ省フーイエン県フイタン村のハ・ティ・クエンさんは次のように語りました。
(テープ)
「バインイットは、シプシ祭りや先祖の祭壇に欠かせない大切な食べ物です。作り方は、まず良質な米を選んで水に浸します。昔は精米機がなくて、手作業で米を搗くのがとても大変でしたが、今はずっと楽になりました。米を準備したら、調味料を加えてバインイットの形に整えていきます」
チマキ「バインイット」づくり |
ソンラ省バクイエン県出身のホアン・ホー・メイさんは次のように語りました。
(テープ)
「私はバクイエン県出身の白タイ族です。フーイエン県のこのお祭りに参加できて本当に嬉しいです。自分たちの文化を国内外の友人に紹介できることを、誇りに感じています」
今年、シプシ祭りは、国家無形文化遺産に認定されたことで、さらに特別な意味を持つようになりました。これは、フーイエン県をはじめとするソンラ省の白タイ族にとって大きな誇りであり、地元の行政府と住民がシプシ祭りをさらに推進し、国内外の観光客に紹介する原動力を作り出すとされています。
フーイエン県人民委員会のダン・クアン・フン委員長は次のように述べました。
(テープ)
「フーイエン県には、独自の風習や伝統が数多く残っており、豊かな民族のアイデンティティがあります。これからも県として、この特色ある文化を大切に守り、さらに発展させていく予定です。こうした取り組みは、観光業や地域経済の発展にもつながり、フーイエン県をより豊かな地域にしていくための原動力になると考えています」
現在、ソンラ省には、伝統舞踊「ソエタイ」、天や両親に感謝する祭り「ヘットチャー祭り」、「古代文字」、「髪洗いの儀式」、家族や子孫の繁栄を祈る祭り「キンパンテン祭り」というタイ族の5つの代表的な文化遺産が国家無形文化遺産リストに登録されており、シプシ祭りはその6つ目となっています。この認定を機に、地元ではさらなる文化振興と観光促進に力を入れていく方針です。