パレスチナのハマスが対イスラエル武装闘争路線から穏健路線へ転換
パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが、対イスラエル武装闘争路線から穏健路線への転換の動きを見せています。在外の最高指導者メシャル氏が「民衆による非暴力の抵抗」を重視する考えを強調したほか、イスラエルを承認しているPLOパレスチナ解放機構加盟にも前向きな姿勢を示しています。
在外拠点をシリアに置いてきたハマスの変化の背景には、民主化運動の弾圧で混迷を深めるシリア情勢があります。ハマスの報道官は「アサド政権から支持を求められたが(市民の弾圧は)ハマスの考え方と相いれないと拒否した」と明かしました。このため、シリアや同国に近いイランとの関係も悪化し、資金援助が大幅に減少したとみられています。
メシャル氏らハマス政治局幹部はすでに首都ダマスカスを退去したとされています。拠点の移転先を求めてヨルダンやカタールなどに接触を図っており、受け入れられるために穏健化が不可欠とみられているもようです。