プーチン大統領 CTBT批准撤回に署名 核実験再開の可能性も示唆
(VOVWORLD) - ロシアのプーチン大統領はCTBT=包括的核実験禁止条約の批准の撤回について署名しました。核実験を再開する可能性も示し、ウクライナ侵攻で対立を深めるアメリカなどへのけん制を一段と強めるねらいです。
(写真:Archive/TTXVN) |
ロシアでは、プーチン大統領が先月、CTBTの批准を撤回する可能性を示唆し、これを受けて議会で審議が進められ撤回が可決されました。
そして2日、プーチン大統領が署名し、ロシアは2000年に行っていたCTBTの批准が撤回されました。
ロシアは、アメリカはCTBTに批准しておらず均衡を保つ必要があるとしていて、ロシア外務省の高官も「アメリカが本格的な核実験に向けて動けば、報復的な対応をとらなければならない」と強調してきました。
プーチン政権は、ロシア軍が核戦力を使用する可能性も辞さない姿勢を示して威嚇を繰り返してきましたが、CTBTの批准撤回によって核実験を再開する可能性も示し、ウクライナ侵攻で対立を深めるアメリカなどへのけん制を一段と強めるねらいです。
また、ロシアはことし2月にはアメリカとの核軍縮条約「新START」の履行停止も表明し、核軍縮などの枠組みを巡っても懸念が続いています。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は2日、アメリカ側からICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験の通知があったことを明らかにしたうえで、「ロシア側も同様に行動する」と述べ、発射実験の事前通知は続けるとしています。(NHK)