(VOVWORLD) -ハノイ市ハドン区キエンフン居住地のヌエ川沿いに位置するダーシー村は、古くから有名な鍛冶の村として知られています。
この村では、毎日のように、研磨機の音、ハンマーを打つ音、そして赤々と燃える炉の火が昼夜を問わず響き渡り、国内外の消費者のために包丁、ハサミ、農具などが製造されています。近年、ダーシー村は国内外の観光客を魅了する体験の目的地としても注目を集めています。
6月のある日、私たちはダーシー村を訪問し、鍛冶工場で包丁作り体験ツアーに参加しました。蒸し暑い日差しと炭火の熱が相まって、工場内はさらに息苦しいほどの熱気に包まれていました。しかし、2時間以上にわたり、職人たちは、包丁作りの全12工程を一人ひとりに指導していました。
包丁作り体験に参加したグエン・マイ・アインさんは、次のように語っています。
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「鍛冶のダーシー村に来たのは初めてです。職人の方々が包丁やハサミを作るのを見て、とても忍耐強いと感じました。包丁をつくるのはとても簡単だと思っていましたが、この工程から次の工程へと体験してみると、例えばこのような夏に1000度以上の炉の傍に立たなければならないのは、本当に大変な仕事だと実感しました」
通常の観光体験とは異なり、ダーシー村での体験では、常に煙、粉塵、そして鋼を焼く炉からの高温、灯油の臭い、金床とハンマーの音に触れることになります。観光客は、刃の形を作るためのハンマー打ち、鉄くずを除去するための粗研磨、砥石を使った手作業での研磨など、各工程を直接体験します。アイルランドからの観光客トーマスさんは、次のように語りました。
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「本日は素晴らしい体験ができました。本当に面白かったです。ただ見るだけでなく、実際に自分も参加できるんです。職人さんもそのご家族もとてもフレンドリーでした。全体的に、本当に素晴らしい、興味深い体験だったので、誰にでもおすすめします。」
一方、ウクライナからの観光客アリーナさんは、次のように感想を述べています。
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「鍛冶の村を訪れる機会を得られたことは本当に素晴らしいことで、この場所を知ることができてとても感謝しています。体験したことにとても驚きました。これまでこのような場所を知る前は、一度も試みたことがありませんでした。鍛冶のダーシー村では、職人たちは私たちに技術を指導し、包丁の作り方を教えてくれました。包丁はとても美しく、切れ味が鋭いです。家に帰ったら、これらの包丁を使ってベトナム料理を作るのが楽しみです」
村の職人たちによりますと、ダーシー村は包丁やハサミといった完成品が素晴らしいだけでなく、鍛造、焼入れ、研磨、柄付けなど、その製造過程全体が独自の特色を持っています。
ユニークで優れた鍛造製品を持つダーシー村は、今や国内外の多くの観光客にとって魅力的な目的地となっています。ハドン区キエンフン居住地人民委員会副委員長のチン・クオック・アン氏は、次のように述べています。
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「鍛冶の伝統工芸村を観光活動と組み合わせて発展することは、製品を紹介、PRする機会となっています。このようなツアーに参加する観光客は、鍛冶の伝統工芸や、地元の文化の歴史を体験し、村の製品を購入することができるからです」
この新しい体験観光ツアーは、ダーシー村在住の青年たちのアイデアです。観光客はここで、製品を作るための工程を見学し、実践することができ、さらには自分で鍛造し、製品に名前を刻んで記念品を作ることも指導されます。「ダーシー」という名前の包丁会社のホアン・ビック・フオン社長は、次のように語っています。
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「伝統工芸村の維持と発展のために、私たちは製品開発と並行して体験観光ツアーも開発しています。私たちはソーシャルネットワークに製品や製造の様子を掲載し、村の製品についてより深く理解してもらえるように紹介しています。また、旅行会社と連携して観光客を村に招き、体験してもらっています」
職人たちの弛まぬ努力と若い世代の迅速な適応力のおかげで、鍛冶のダーシー村はブランドを確立しているだけでなく、首都ハノイの伝統工芸村観光システムの中でも際立った存在となっています。