ハティン省の伝統菓子「クードー」の継承

(VOVWORLD) -クードー菓子は、ピーナッツの香ばしさ、ショウガの香り、そしてサトウキビの糖蜜が溶け合った絶妙な風味が特徴で、国内外の観光客を魅了してやまないハティン省の特産品となっています。
ハティン省の伝統菓子「クードー」の継承 - ảnh 1ハティン省の伝統菓子「クードー(Kẹo Cu Đơ)」

ベトナム中部ハティン省の伝統菓子「クードー(Kẹo Cu Đơ)」は、糖蜜、ピーナッツ、ショウガを混ぜて溶かして、焼いたゴマ入りのライスペーパーで挟んだものです。ピーナッツの香ばしさ、ショウガの香り、そしてサトウキビの糖蜜が溶け合った絶妙な風味が特徴で、国内外の観光客を魅了してやまない特産品となっています。

ハティン省フオンソン村にあるクードー製造工場のオーナーであるグエン・ティ・タオさんは次のように述べています。
(テープ)
「私たちは、原材料の選定から下準備、製造、包装に至るまで、すべての工程を細心の注意を払って、丁寧かつ徹底的に行います。ピーナッツ、ショウガ、ゴマなどのすべての原料は、地元ハティン省の土地で栽培されたものです。仕入れた後も、特に健康に良くない不良なピーナッツは取り除くなど、再度ふるいにかけて選別します。下準備の段階でも、サトウキビ糖蜜、ピーナッツ、ショウガ、ライスペーパーといった主要な原料はすべて、不純物や品質の劣るものを取り除くために、徹底的に検査・洗浄されます」

ハティン省の伝統菓子「クードー」の継承 - ảnh 2

クードー菓子の製造工程は、機械では代替できない、忍耐と経験、そして繊細な感覚が求められます。まず、ピーナッツを少量の塩とともに鋳物フライパンで香りが立つまで均一に炒り、薄皮がひび割れるまで加熱します。生姜は皮をむき、きれいに洗ってから細切りまたはみじん切りにします。最も重要なのは糖蜜を練る工程で、サトウキビ糖蜜を底面が厚い深型鍋で煮詰めます。職人は火加減を正確に調節し、鍋の底に焦げ付かないように絶えず、均一にかき混ぜます。煮立った糖蜜を一滴、冷水に入れた時、その一滴が黄土色のきれいな丸い塊になり、水に溶けなければ合格です。糖蜜がこの基準に達すると、職人は素早く炒ったピーナッツと生姜を加え、均等にかき混ぜてから火を止めます。この混合物を素早くすくってライスペーパーの上に広げ、もう一枚のライスペーパーで覆い、軽く押さえて接着させます。

最も難しい工程は、混合物がちょうど良い状態に煮詰まった時、火から下ろすタイミングを見極めることだそうです。

現在、ハティン省には、小規模な家内工業から大規模な企業まで、数百箇所のクードー製造工場が活動しており、数千人の地元住民の雇用を創出しています。「一村一品(OCOP)」プログラムは、製造工程の標準化支援、食品安全の確保、ブランディング、プロフェッショナルなパッケージデザインの設計、市場拡大を通じて、製造工場による製品価値の向上に貢献してきました。一村一品製品の認証を得たクードーブランドは、国内市場を征服するだけでなく、海外市場への進出も実現しています。

ハティン省の伝統菓子「クードー」の継承 - ảnh 3

家業の伝統を三代目として継承するトラン・ティ・ホアさんは、次のように述べています。

(テープ) 
「最近、クードーは日本や、アメリカに輸出されています。市場の競争は激化し、品質への要求も厳しくなっていますが、クードーブランドは、原料から製造工程に至るまでの細部にわたるこだわりにより、その地位を確立しました」
旅行者にとって、クードー菓子を味わうことは、単に特産品を食べるだけでなく、この土地全体の独特な食文化を感じることでもあるようです。

首都ハノイ在住のホアン・ティ・ハンさんは次のように述べています。
(テープ)
「ハティン省に出張で立ち寄るたびに、必ずクードー菓子を家族や会社の人たちへのお土産に買います。このおやつを食べると、ピーナッツの香ばしさ、ライスペーパーのパリパリ感、サトウキビ糖蜜の甘さが感じられます。素朴な故郷の贈り物として、私はとても気に入っています。濃い緑茶と一緒に食べるのが最高に楽しいですね」

クードー菓子は何世代にもわたりハティン省の人々と深く結びついています。この素朴な贈り物は、中部地方の人々の、独特な文化の一端を担っています。

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