ハウザン省ビートゥイ村のキンマの葉

(VOVWORLD) -ベトナムの民間には「ビンロウジュの実とキンマの葉は話の始まり」という諺があります。そこで、キンマの葉とビンロウジュの実は、供え物の儀式や結婚式などに欠かせないものです。そして、この素朴な文化的景観は、ハウザン省のキンマ栽培村に今も存在しています。
ハウザン省ビートゥイ村のキンマの葉    - ảnh 1

村民たちは、古くからキンマの栽培に携わり、この産物をこの土地特有の文化としてきました。

高齢者の話によりますと、ビトゥイ村でキンマが栽培されるようになったのは約60年前のことです。以前、キンマの葉は、ベトナム人の高齢者が熟していないビンロウジュの実を細かく切って、それに石灰をまぶしてキンマの葉に包んで噛むという習慣や、結納や結婚式のために栽培されていました。その後、キンマの葉はハウザン省内やホーチミン市の市場で販売されるようになり、特にカンボジアや台湾(中国)などに輸出されるようになったため、キンマの栽培は発展をはじめたとのことです。

現在、ビトゥイ村では、キンマの栽培総面積は40ヘクタールに上っています。約200世帯がキンマの栽培に従事しています。豊かな自然、特にハウ川からの淡水に恵まれているため、地元で栽培されるキンマは常に青々と茂り、大きく黄色がかった葉と、多くの人に好まれるピリッとした風味が特徴です。キンマは、植え付けから葉の収穫まで約3〜4ヶ月かかります。その後、農家は月に3回、10日おきに葉を収穫します。

キンマ栽培業者であるマイ・バン・バンさんは次のように明らかにしました。

(テープ)

「我が家は、数十年間にわたり、キンマの栽培をしています。キンマの葉の販売による収入は、年平均1億ドン、約55万円に達し、かなり安定した生活を送っています。地元の農民はキンマの栽培で富を築いています」
2020年、「チャウバン」と名づけられる協同組合は、キンマの葉の販路を図る目的として、設立されました。協同組合のおよそ30人の組合員は、約20ヘクタールの土地にキンマを栽培しており、毎月、およそ20万~24万枚のキンマの葉を出荷します。

組合長であるグエン・バン・ドイさんは次のように語っています。
(テープ)
「協同組合に参加することで、農家は協力して栽培し、キンマの葉の品質が向上するため、価格が安定します。私は2,500株のキンマを栽培し、2人の大学生の子供たちの学費を賄っており、生活は非常に充実しています」

ハウザン省ビートゥイ村のキンマの葉    - ảnh 2

現在、ハウザン省は地元の特色ある観光商品を開発しており、「緑溢れビトゥイの愛のキンマ」という名称で、ビトゥイのキンマ栽培村がその8つの商品のうちの1つに選ばれています。観光ツアーでは、キンマ畑を見学したり、キンマ栽培村の成り立ちについての話を聞いたり、キンマの葉から作られた薬草でリラックスしたりすることができます。

現在、地元の人々は、遠くからの観光客にこの伝統的な村を紹介するために、観光開発の準備を進めています。経済発展だけでなく、これはメコンデルタ地域最大のユニークなキンマ栽培村を維持し、発展させるための解決策の一つでもあるからです。

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