(VOVWORLD) -首都ハノイの中心地から西へ約25キロメートル離れた所にあるチュオンミー県フーギア村の籐・竹細工のフービン工芸村は、約400年の歴史を誇っています。
Hà Nam/Báo Nhân Dân撮影 |
現在、フービン工芸村は伝統的な工芸を維持するだけでなく、強く発展しています。多くの輸出製品が顧客に愛用されています。
かつてこの村は、天がこの地の住民に器用で才能のある手を与え、竹や籐の編み物に長けているという意味を込めて、フー・ホア・チャンと呼ばれていました。1841年、フーホアチャンは富と栄光を意味する「フービン」に改名されました。フービン村の各世代村民は竹や籐と親しくなり、これらの植物のあらゆる特性を熟知しました。それから、竹細工工芸は徐々に発展し、村民の伝統的な職業となっています。フービン村で三代続く竹細工工芸家の家庭に生まれたグエン・バン・ティン職人は次のように語っています。
(テープ)
「フービン竹細工工芸村は、他の竹細工工芸村とは異なる独自の特徴を持っています。それは、独自の編み方と材料の加工技術です。ここでは多様な編み方があります。籐・竹の編み方の技術は、手と目、そして感情の円滑な協応が必要なため、同じ編み方でも、フービン村の方が優れていますよ」
職人たちによりますと、フービン村の人々は数百もの異なる籐・竹の編み方の技術を持っているようです。編み方は、刺繍の芸術に応用されるほど繊細で美しいと考えられていますが、フービン村の職人たちは、籐ひごを使って独特で丈夫な模様や線を仕上げます。
以前、フービン竹細工工芸村の製品は、主に日常生活で使用されるザル、フルイ、カゴ、バッグ、箱などでした。現在、職人たちは、籐や竹と他の材料を組み合わせる方法を見つけ出し、新しい技術を模索することで、陶磁器に籐を巻いた製品や、3D造形の竹細工製品など、代表的な製品を製造するようになってきました。籐・竹細工製品はより多様になり、その中には肖像画、風景画、対句、扁額、動物の像など、高い創造性と技術を必要とする製品も多く含まれています。
職人のグエン・バン・クアンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「以前のフービン村では、ほとんどが籐だけの製品を作っていました。しかし、籐だけで作った花瓶には、ドライフラワーしか飾れませんでした。しかし、籐と陶器を組み合わせて、花瓶を作ることで、新鮮な花を飾ることができます」
職人のグエン・ヴァン・チュン氏と、自ら編んだキューバのフィデル・カストロ指導者の絵 (Hà Nam/Báo Nhân Dân撮影) |
優秀職人であるグエン・バン・チュンさんと、ホアン・ヴァン・ハンさんは次のように語っています。
(テープ)
「昔、先輩の方々は思いついたものをそのまま作っていましたが、今は違います。私たちは製品の形とデザイン、それに速く美しく編むための編み方などを研究、発明しました」
「年月を経て、製品はより洗練されたものになりました。国内外の観光客は、新しい編み方やより高度な技術を求めており、それが村の職人たちの情熱と願望を駆り立てています」
近年、この村はEU欧州連合や、アメリカ、中国などの市場から大量の注文を受け、輸出価格も高いです。これにより、村の職人たちの収入は安定しています。
チュオンミー県フーギア村人民委員会のグエン・バン・クオン副委員長は次のように述べています。
(テープ)
「毎年、籐・竹細工の輸出は地元の経済成長に大きく貢献しています。2018年は竹細工製品の輸出のピークでした。当時の利益率は10〜15%と高かったです。現在、籐・竹細工製品は世界中に輸出されています」
現在、竹細工のフービン工芸村は、市場に適応しながらも、特色と独自性を保っています。それに加えて、世界的に高まっているグリーン消費のトレンドは、フービン村が今後も発展していくための有利な条件となるでしょう。