タイ族の言葉を教えるウエブサイト

(VOVWORLD) - タイ族の言語の読み書きは難しいとよく言われていますが、このような取り組みによって、タイ族の言葉の学習者は楽になり、この言葉の保存・普及・開発事業が進められるでしょう。

ベトナム西北部ディエンビエン省の少数民族寄宿学校が開発した少数民族タイ族の言葉を教えるウエブサイトは2019年の全国青少年児童イノベーションコンテストで一等賞を獲得しました。この学校に在学中の3年生ロ・ティ・キムさんが先生の指導の下で作られたこのウエブサイトは、タイ族の言葉の保存・普及・開発に貢献すると期待されています。

タイ族の言葉を教えるウエブサイト - ảnh 1「タイ族の言葉を愛する」クラブのメンバー 

タイ族の言葉が衰退している現状をみて、ロ・ティ・キムさんは高校に入ってから、タイ族の言葉を教えるウエブサイトの開発を夢にしています。彼女は、2年前に「タイ族の言葉を愛する」クラブを設立し、この夢の実現を希望する友だちを集めました。このクラブはディエンビエン省の少数民族寄宿学校の教師たちと、同省の文化研究者の支援を受け、タイ族の言葉を教えるウエブサイトを開設しました。キムさんは次のように話しました。

(テープ)

「私たちのウエブサイトは、タイ族の人々を対象にするものですが、彼らがよく話すことができるので、タイ族の言葉の文字を教えることに集中しています。また、ベトナム語からタイ族の言葉に翻訳するスキルも教えています。一方、タイ族ではない人に対しては、文字や発音、文法など、基本レベルから上級レベルまでのレッスンを充実しています。」

このウエブサイトが開設されてから1年経ちましたが、約100人の利用者が登録されています。利用者に便宜を図るため、パソコン版はもちろん、スマートフォン版もあります。また、レッスンの他、タイ族の文化や風俗習慣を紹介する記事も掲載されています。

こうしたウエブサイトは、ディエンビエン省の2019年の青少年児童イノベーションコンテストでA賞を獲得したほか、2019年の全国青少年児童イノベーションコンテストで一等賞を獲得しました。しかし、「タイ族の言葉を愛する」クラブは、利用者にさらに便宜を図るため、内容の面でも形式の面でもウエブサイトを改善する方針です。ディエンビエン省の少数民族寄宿学校のIT教師レ・タイン・ロンさんは次のように話しました。

(テープ)

「ウエブサイトの開設に必要な費用は、学校と個人の支援によるものなので、限られています。これから、資金の面でも人材の面でもより多くの支援を頂きたいと思います。これにより、ウエブサイトはディエンビエン省だけでなく、ベトナム全土に広がり、タイ族の言葉の保存・普及・開発を進める効果があると思います。」

2019年・2020学年度では、ディエンビエン省少数民族寄宿学校の学生の数は591人で、その中のタイ族出身の学生は284人で、学生全体の48%を占めています。タイ族出身の学生はタイ族の言語で会話が良くできますが、95%はタイ語の読み書きができない現状です。そのため、このウエブサイトは、タイ族出身の学生にとって貴重な教材となっています。ディエンビエン省少数民族寄宿学校の校長ファム・テ・タインさんは次のように話しました。

(テープ)

「このウエブサイトは当初、クラブのメンバーしか利用できなかったですが、だんだん、当校の学生の多くを引き付けています。これからも、より多くの支援を呼びかけて、ウエブサイトを発展させる方針です。」

タイ族の言語の読み書きは難しいとよく言われていますが、このような取り組みによって、タイ族の言葉の学習者は楽になり、この言葉の保存・普及・開発事業が進められるでしょう。

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