ドンナイ自由貿易区:ロンタン空港と連携した成長の原動力
(VOVWORLD) -ドンナイ省の2025年から2030年期社会経済発展における最重要課題の一つが自由貿易区(FTZ)構想の策定です。これは、ロンタン国際空港の稼働開始に伴う特別な優位性を活用する、新たな成長の原動力と見なされています。
ロンタン空港の建設工事 |
ドンナイ省の自由貿易区は、ロンタン空港、およびフックアン港に直結する形で、総面積約8200ヘクタールで展開される計画です。プロジェクトの総投資額は約160億米ドルを見込んでおり、その内訳は、公共投資の約5%、国内民間投資の40%、そして残りの外国直接投資(FDI)が約55%を占めます。これは、マルチモーダル物流チェーンを形成し、コストの最適化と競争力の強化に貢献することが期待されています。
建築家であるゴ・ヴィエット・ナム・ソン氏の見解では、ロンタン空港は東南アジア有数の航空ハブとなる見込みであり、ドンナイのFTZはこの空港と緊密かつ特有の連携を持つことになります。さらに、ドンナイ省およびホーチミン市の重要インフラ整備が進むことで、相乗効果が生まれ、FTZのポテンシャルを最大限に引き出すとしています。
(テープ)
「自由貿易区の発展には重要インフラとの連携が不可欠です。自由貿易区構想の提案においては、これらの重要インフラに結びついた都市開発構想と切り離さずに進めるべきだと考えます」
ベトナム航空総公社は、旅客ターミナルの投資主として、ロンタンを国際航空物流ハブとし、ベトナムと世界のサプライチェーンを結ぶ拠点と位置付けています。この目標を実現するため、ドンナイ省自由貿易区には、貨物を輸入、生産、保管、再輸出し、国内市場に流通させる場合にのみ課税するという、「物流・製造のための免税エリア」を形成するための適切な優遇措置と政策を与える必要があります。
フックアン港 |
経済社会諮問チームのメンバーであるチャン・ドゥック・リッチ博士は、ドンナイ省には自由貿易区を構築するのに十分な条件、優位性、利点があり、グローバルサプライチェーンへの参加、ロンタン空港とフックアン港の効率最大化を目的とした機能を持つFTZの建設に最適な時期であると指摘しています。ただし、同省は新しい状況や省の現状に合わせた全体計画の調整、そして地域連携を促進し、自由貿易区開発を円滑にするための優先的かつ画期的な交通プロジェクトへの投資が必要であるとしています。
(テープ)
「自由貿易区の体制的優位性や規制により、投資資金の誘致に期待できます。特に、ベトナムがグローバルなサプライチェーンとサービスネットワークにおける一拠点へと段階的に移行する中で重要となります」
一方、ドンナイ省経済社会諮問チームのリーダーであるチュオン・ミン・フイ・ヴー博士は、同省の自由貿易区モデルはグリーン、デジタル化、スマート化を志向し、体制改革や地域調整と結びつけるべきだと提言しています。
戦略的な立地により、ドンナイ省は、ベトナム初の統合型経済圏モデルとなるべく研究・提案されている「東南部自由貿易区複合体」の核になる可能性があります。これは単なる特区ではなく、ロンタン自由貿易区(物流・工業・空港)、カイメップ・ティバイ自由港、そしてホーチミン市内にあるカンゾー国際金融・商業区を含む多中心的な成長空間を意味します。
(テープ)
「ロンタン空港はドンナイ省にありますが、ドンナイ省だけの空港ではありません。東南部地域の成長の軸を見ると、依然としてロンタン空港~タンソンニャット空港とカイメップ・ハ~ティバイ~カンゾー港のクラスターが最も強力な成長の原動力となっています」
ドンナイ省にとって、自由貿易区の発展は、地方経済の発展、国内外の投資の強力な誘致、輸出入活動の強化に計り知れない利益をもたらします。したがって、自由貿易区を計画的かつ効果的に展開することで、同省は国際的な物流・航空ハブとなり、ベトナムが世界のバリューチェーンへより深く統合されるための推進力となるでしょう。