タインチー蒸し春巻き作りの民俗知識 — 国の無形文化遺産

(VOVWORLD) - タインチー蒸し春巻き作りは、ハノイ市ヴィンフン区の住民によって何世代にもわたって維持され、受け継がれてきました。
先ごろ、タンチー蒸し春巻き「Bánh cuốn(バインクオン)」作りの民俗知識は国の無形文化遺産リストに登録されました。この認定は、タインチー蒸し春巻きの典型的な価値を改めて示すものであり、今後、タインチー蒸し春巻き作りを宣伝し、拡大する機会でもあります。タインチー蒸し春巻き作りは、ハノイ市ヴィンフン区の住民によって何世代にもわたって維持され、受け継がれてきました。
タインチー蒸し春巻き作りの民俗知識 — 国の無形文化遺産 - ảnh 1タインチーのバインクオン(蒸し春巻き)(写真:Huyền Trang/VOV5)

ホアン・ティ・ランさん一家は3世代にわたってタインチー蒸し春巻きを作っています。彼女は母親から蒸し春巻きの作り方を学びましたが、具体的なレシピはありませんでした。粉挽くことや春巻きを蒸すことは、経験、感覚、そして彼女自身の愛情に大きく依存していました。以前、職人は銅製の鍋を炭火にかけ、手作業で春巻きを蒸していました。現在では、米粉挽き機や電気鍋を使用していますが、従来からの作り方は維持されています。

ランさんの母親の時代には、職人たちは、蒸し春巻きを作り終えると、カゴに入れてハノイ市内の街を売り歩いていました。後に、彼女の時代には、自転車で路地裏を巡っていました。そして今の世代は、その場で春巻きを蒸す屋台を借りています。変化が多々あっても、この仕事への愛情と情熱はそのままです。

タインチー蒸し春巻き作りの民俗知識 — 国の無形文化遺産 - ảnh 2タインチーのバインクオン作りの伝統を守り続けるホアン・ティ・ランさん(写真:Huyền Trang/VOV5)

ランさんは次のように語っています。

(テープ)

「私は12歳から蒸し春巻きを作り始めました。当時、学校に行きながら、粉挽いていました。昔は石臼で挽いていました。タインチーの女の子はみんな春巻きの蒸し方を知っていなければなりません。母が蒸すのを見て、少しずつ学び、子供たちも代々受け継いでいます。以前、母は5人の子どもを育てていました。母が『今日はお米がたくさん交換できたよ』と言うと、私たち兄弟はとても喜んだものです。今では、私の息子と娘の2人とも春巻きを蒸すことができます」

タインチー蒸し春巻きの従来からの作り方は、お米を選定する工程から春巻きを蒸すまでの製造工程における民俗知識の価値を持っています。春巻きの主な材料は粳米です。春巻きは2種類に分けられます。一つは葉の春巻き、あるいは揚げたネギを真ん中に塗ったもの、もう一つは肉餡入り春巻きです。タインチー蒸し春巻きは手作業で非常に薄く蒸し上げられ、薄いほど美味しくなります。この蒸し春巻きを作るのは、タンチーの人々独自の秘訣と技術です。

ズオン・ティ・トゥエットさんは次のように語っています。

(テープ)

「タインチー蒸し春巻きは薄く蒸さなければなりません。以前は手で挽いた粉は均一ではありませんでしたが、今では機械で挽くので、なめらかでつややかに、そして美味しくなりました。私は米を2時間水に浸してから挽きます。粉挽くときに氷を入れて粉を冷やします。挽き終わったらさらに水を加え、米3kgに対して塩を100g入れ、よく混ぜます。蒸すときは均一に手を使わなければなりません。薄くて柔らかな生地を作る技術はタインチーの秘訣であり、5kg、6kgもの生地をつくることができる場所は他にはありません」

タインチー蒸し春巻き作りの民俗知識 — 国の無形文化遺産 - ảnh 3バインクオンは白く半透明の薄い層に仕上げられる(写真:Huyền Trang/VOV5)

タインチー蒸し春巻き作りの民俗知識が国の無形文化遺産に登録されたことで、地元の住民、特に技術を受け継いでいる若い世代は非常に喜んでいます。彼らにとって、これは故郷の伝統的職業を保ち、さらに広める機会であると同時に責任でもあります。

住民の一人グエン・ティ・ラン・フオンさんは次のように語っています。

(テープ)

「私は蒸し春巻き作りを伝統とする家庭で生まれ育ったことをとても誇りに思っています。自分の村の伝統的な技術を広めたいなら、まず技術を磨き、より心を込めて仕事に取り組む必要があります。最初の成功は、お客様の体験から生まれます。その後、今の情報技術の発展を活用して、FacebookやZalo、その他の多くのソーシャルネットワークに投稿するなど、広く宣伝し、自分の製品をより多くの人々に知ってもらいます」

一方、ヴィンフン区人民委員会のクアン・ヴァン・アイン副委員長は次のように明らかにしました。

(テープ)

「タインチーの蒸し春巻き作りの民俗的知識が国の無形文化遺産に登録されたことは、各世代にわたって受け継がれてきたこの独自の伝統的文化の価値を国家が認めたことを意味します。この登録は、この伝統的職業の歴史的、文化的、技術的価値を確固たるものにするだけでなく、行政当局がこの職業をより正式かつ体系的に保護、称賛、宣伝するための好ましい条件を作り出します。また、これは職人やこの職業を営む世帯が、国の支援政策にアクセスし、伝統的な美しさを守り、生産を発展させ、若い世代に技術を伝承することへの意識を高めるための重要な基盤となります。今後、行政当局は、タインチー蒸し春巻き作りの価値を保護・促進し、地元のイメージを宣伝し、持続可能な観光を発展させるための具体的な解決策をいくつか集中的に展開していく方針です」

タインチーの蒸し春巻きは、ベトナムの著名な作家であるタック・ラム、ヴー・バン、トー・ホアイらの文学作品にも登場しています。この職業は、2015年に団体商標が設立され、またその民俗的知識が国家無形文化遺産として認定されたばかりです。タインチーの蒸し春巻きは、今後さらに広まり、首都ハノイの独自の食文化を世界に広めることに貢献していくでしょう。

ご感想

他の情報