(VOVWORLD) -世界工芸評議会の国際審査委員会は、バッチャン陶器村が経済、文化、社会、環境などに関する基準を満たしており、世界工芸都市のメンバーに値すると評価しました。
ハノイ市中心地から南東へ約10km離れた所にあるバッチャン陶器村は、文化、歴史、経済、社会的影響に至るまで、他に類を見ない多様な価値に恵まれた場所として知られています。これらの多彩な要素により、バッチャン陶器村は、 世界工芸評議会によって世界工芸都市の一員として認定されました。これは、バッチャン陶器村のすばらしさを世界にPRする良い機会となっています。
世界工芸評議会の国際審査委員会は、バッチャン陶器村が経済、文化、社会、環境などに関する基準を満たしており、世界工芸都市のメンバーに値すると評価しました。この出来事は地元住民にとって大きな喜びとなっています。
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「これは、バッチャン陶器村、およびその陶器製品を国内外の人々にPRするための良い機会です」
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「バッチャン村は、伝統と現代を融合させるという方針により、陶器生産村と観光地になります。これは、素晴らしい兆候であると思います」
一方、バッチャン陶器の伝統工芸に情熱を注いできた工芸家のハ・ティ・ビンさんによりますと、この出来事はバッチャン村の陶器製品が独特な価値を再確認し、工芸村のすばらしさを世界に広める機会であると明らかにしました。
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「これは私たちにとって誇りとなっています。この誇りを胸に、国内のみならず世界的にも有名なブランディングを行う方針です。このブランドを通じて、私たちは故郷の歴史と文化を紹介し、子孫の世代まで繁栄をもたらしたいのです。世界工芸都市の一員になることで、他のメンバーとともに知見を共有し、世界各国の優れた点を取り入れる一方、バッチャン陶器村のすばらしさを世界に伝えることもできます。」
バッチャン陶器村は、ホン河沿いに位置しており、500年の歴史を誇る古くから存在する陶芸村です。過去数百年間にわたり、村の熟練した職人たちは、伝統工芸への情熱、創造性、卓越した技術、そして代々受け継がれてきた秘伝の技をもって、精巧で美しく、独特で価値の高い陶磁器製品を製造してきました。特に、ベトナムの歴史に登場した王朝であった李朝、陳朝、黎朝などからの陶磁器製品は、バッチャン村の陶芸家たちによって復元されました。
陶芸家の一人であるファム・ゴック・フィさんは次のように明らかにしました。
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「緑釉、青釉、褐釉などの釉薬は、バッチャン陶器村でのみ見られます。というのは、バッチャン村の釉薬は、比較的高温の1250度から1320度で焼成されるからです。それに、バッチャン村の釉薬の特徴は、薪窯で焼かれ、灰釉から作られる点にあるため、釉薬の色合いが独特なものとなっています」
バッチャン焼きの独特な文化と歴史が魅力を生み出し、国内外の消費者からますます人気を集めています。現在、バッチャン村の陶器製品はアジア、欧州、アメリカに輸出されるようになっています。特に、同村の高級工芸品は、ベトナムを訪問する国家元首や外交団への贈呈品にも選ばれてきました。
現在、バッチャン陶器村には100人あまりの熟練工、約200社の企業と約1000あまりの陶磁器製造・販売世帯があります。村の若者の90%が陶器製作の技術を習得しており、村の職人、特に若い女性職人たちは、創意工夫を凝らして、独自の陶器製品を生み出してきたとのことです。
バッチャン村の若手陶芸家、ブ・ヌ・クインさんは次のように述べています。
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「以前、陶器の製造は手作業で行われていたため、陶磁器製品の損失、破損、ひび割れという状態がよく発生しました。 伝統と秘訣を守りつつ、技術とテクノロジーを積極的に取り入れ、手作りの陶磁器製品を強化しています。今日では、陶芸家は単に陶器を作るだけでなく、陶器に関する宣伝・紹介や物語の創出、さらには陶器製品の販路拡大も求められています」
近年、バッチャン陶器村の村民たちは、長い歴史と文化を持つ伝統工芸村の潜在力と強みを活かし、生産規模の拡大、陶芸体験ツアー開発に取り組んでいます。さらに、世界工芸評議会によって世界工芸都市のメンバーになることで、伝統的な陶芸の保存・発展のための有利な条件がさらに整い、世界的な工芸の舞台における同村の地位を確立することに貢献することになります。