投資貿易の自由化に関するボゴール目標の達成はAPEC=アジア太平洋経済協力会議加盟諸国の第一の関心事となっています。中部ニャチャン市で開催中のSOM1=第1回高級実務者会合で、出席者らはこの問題を詳細に討議し、様々な行動を提出できるよう知恵を絞りました。
SOM1の様子
ボゴール目標とは、1994年11月にインドネシアのボゴールの大統領宮殿で開催された第6回APEC首脳会議において採択された、「APEC経済首脳の共通の宣言」(ボゴール宣言)で掲げられた目標です。同地域内の先進経済圏は2010年までに、新興経済圏は2020年までに、域内における貿易と投資の自由化を達成することを訴えられました。
ボゴール目標の実施に伴う試練
ボゴール目標の第一期は達成されましたが、第2期は様々な困難に直面しています。加盟諸国の経済構造が異なり、発展度合にも格差があることから優先課題は同じではありません。また、公約といっても拘束力がないため、投資貿易の自由化や技術協力に際し、不一致点が発生する一方、文化、歴史、環境、安全保障など、非経済的な要素は加盟諸国間の経済協力や地域の投資貿易の自由化に一定の影響を与えるとしています。APEC事務局のアラン・ボラード事務局長はAPEC諸国は様々な試練に直面しているにもかかわらず、期限通りにボゴール目標を達成する決意であると明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「これまで、ボゴール目標の実施が難航し、遅れています。ただ、これはAPECの第一目標であり、自由で開放的な貿易環境を目指しています。ですから、APECは体制改革や国境地域での協力などに力を入れ、この目標の達成へ向けてあらゆる手を尽くしています。」
このように語ったアラン氏は2017年のAPECの枠内で行なわれる各会議や会合で、様々な構想やアイディア、解決策が提出され、ボゴール目標の実施の加速に貢献するとの希望を表明しました。
2017年のAPEC、ボゴール目標の達成を目指す
ボゴール目標はベトナムが議長国を務める2017年のAPECの目玉ではないものの、ベトナムが提唱した4つの優先課題は投資、貿易の円滑化、加盟諸国間の発展格差の是正、新興国の持続的な経済成長に基盤をつくるとみられます。経済専門家ボ・チ・タイン氏はベトナムが出した優先課題はAPECの政策を具体化したものであり、高く評されていると明らかにしました。タイン氏は次のように述べました。
(テープ)
「ベトナムはこの目標の達成に向けアイディアを政策、協力に具体化させたいのです。APECの目標は政策作成者の話にとどまらず、市場、社会の動きや企業の活動につながり、APECの能動性を示す必要があります。」
先頃、ファム・ビン・ミン副首相兼外相は記者団のインタビューに応え、次のように語りました。
(テープ)
「ボゴール目標の実施に関し、ベトナムは決定的な時期においてAPECの主催国を務めています。というのは2020年をめどに、投資、貿易の自由化に関する目標を達成すべきだからです。また、2017年のAPECの各会議で、我々は加盟諸国と共に、2020年以降のビジョンを作成する予定です。ボゴール目標の達成後、どの方向に行くかを考えなければなりません。」
2017年のAPECは始ったばかりです。これから一連の会合、対話が行なわれ、APECの行方を討議するとしています。ベトナムはAPEC議長国として、加盟諸国と力を合わせ、期限通りにボゴール目標の達成や、新たな発展段階でのビジョンの作成に取り組んでいます。これは21世紀におけるアジア太平洋の包摂的かつ持続的な発展に重要な礎となるでしょう。