ベトナム サイバー犯罪防止に関する条約の作成に積極的に参加

(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、8月8日、ニューヨークで国連特別委員会はサイバー犯罪防止に関する条約草案を採択しました。ベトナムは同特別委員会の設立を支持し、早くから条約草案の作成に積極的に参加し、各国の法執行警察との協力を強化し、サイバー犯罪防止を効率化することを目指しています。
ベトナム サイバー犯罪防止に関する条約の作成に積極的に参加 - ảnh 1サイバー犯罪防止に関する条約草案の採択会合に参加したベトナム代表  写真提供:TTXVN

この草案は国連総会に提出され、193の加盟国による正式採択を目指します。2026年12月31日まで各国の署名を受け付ける予定です。国連総会で採択された後、この条約は、急速にデジタル化が進む現代社会において、サイバー犯罪防止対策の強化を目指す国際的な法律文書となると期待されています。

サイバー犯罪防止を目指すグローバルアクション

情報技術の迅速な発展は大きな利益をもたらす一方、サイバー犯罪の増加につながっています。サイバー攻撃は形態も規模も急速に拡大し、各国の経済、政治、社会の安定に深刻な影響を与えています。こうした事情を前に、サイバー犯罪に関する情報の共有や調査・証拠収集での連携を促進するための法的枠組みを設立する必要があるとして、国連はサイバー犯罪防止に関する条約草案の作成に踏み切りました。この草案は加盟国にサイバー攻撃やオンライン詐欺(
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、子どもの侵害、マネーロンダリングなどサイバー犯罪の予防、調査、起訴、裁判における国際協力を促進するための包括的な法的枠組を整備するものです。これにより、各国の法執行機関は24時間体制で協力し合って、即時に対応し、サイバー犯罪防止の効率化が図られます。また、同条約は発展途上国に技術支援を提供し、科学技術能力を向上させ、サイバー犯罪の脅威への効果的な対応や安全で健全なサイバースペースづくりに役立つとしています。

サイバー犯罪防止における国際協力を強化するための法的基盤

ベトナムは、インターネット普及率が世界トップクラスの国の一つです。今年初めの時点で、人口のおよそ80%に当たる7800万人以上がインターネットを利用しています。しかし、その一方で深刻なサイバーセキュリティの課題に直面しており、昨年はじめから現在までに1万3750件以上の重大なサイバー攻撃が報告されています。サイバー犯罪からの深刻な脅威やサイバー犯罪防止における各国、および国際組織との協力の重要性をよく認識し、ベトナムは2022年3月の最初段階から、同条約草案の議論・交渉に参加していました。また、この条約の作成過程で積極的な役割を果たしてきました。特別委員会の8回会合の全てに参加し、一貫して交渉メカニズムの確立を支持してきました。これは、ベトナムが国際社会の責任ある一員として、グローバルな課題解決に貢献する姿勢を示すものです。

この条約草案は. 他国の法執行機関との効果的な協力を強化するための具体的な法的枠組みを提供することや、サイバー犯罪に関する情報や証拠の迅速な調査・収集を可能にし、刑事司法手続きを支援すること、ベトナムを含む発展途上国のサイバー犯罪対策能力の向上を支援すること、より安全なグローバルサイバー空間の構築に貢献することでベトナムにとって重要であるとしています。

今後、同条約の正式採択と批准に備え、ベトナムは国内の法律文書の点検、評価、完備を促進し、同条約の規定を効果的に実施し、条約の要求に応えるため、インフラ整備や技術能力の向上に取り組む姿勢を固めました。また、ベトナムの当局者の需要に応えるような適切な技術支援計画の作成に際し、国連や外国のパートナーと協議します。

サイバー犯罪防止に関する条約草案の交渉に積極的に参加してきたことは国際社会の共通の課題の解決や多国間協力へのベトナムの主体的な参加を示すといえるでしょう。

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