ベトナムは、国連平和維持活動への参加に関する法律案を作成しています。これは、ベトナムの国連平和維持活動への参加を規定する初の法的文書であり、新たな状況におけるベトナムの国連平和維持要員の派遣にする包括的で強固、かつ長期的で安定した法的枠組みでもあるとされています。

5章29条を含むこの法律案はベトナムの国連平和維持要員の派遣を具体的に規定しています。法案の作成は、ベトナムの法体系との合憲性、合法性、統一性を確保することを目的とします。

ベトナムは国連平和維持活動への参加に関する法律案を作成している（写真：chinhphu.vn）

ベトナムの外交政策の法制化

ベトナムは1996年以降、国連平和維持活動に対し、毎年、財政的義務を履行すると同時に、国連平和維持ミッション、および国連本部において、多くの視察団を派遣してきました。

2014年に、ベトナムは最初の士官を派遣しました。現在までに、ベトナムの延べ1100人の士官、軍人がUNMISS国連南スーダン共和国ミッション、MINUSCA国連中央アフリカ共和国ミッション、UNISFAアビエイ暫定治安部隊ミッション、EUTM RCAヨーロッパ連合の中央アフリカ共和国軍訓練ミッション、および国連本部に派遣されました。

そのほか、ベトナムは、主に国連安全保障理事会常任理事国とともに国連平和維持分野に関する10件の協力覚書を締結してきました。しかし、これまでの成果に加え、新たな段階においてベトナムが国際的任務を立派に果すためには、より強力なメカニズム、政策、法的枠組みが必要であると指摘されています。

国会の国防・安全・外交委員会のレ・タン・トイ委員長は、国連平和維持活動参加法の制定、公布が不可欠であると確認し、次のように述べています。

（テープ）

「国連平和維持活動参加法の制定、公布は、2013年憲法の路線と規定、ベトナムの国連平和維持活動参加に関する国際公約を完全に法制化し、現行規定の改善、任務遂行の管理、指導、運営の効率化などに貢献します。これはまた、国連平和維持要員の派遣に完全で確固たる長期的かつ安定的な法的枠組みを生み出します」

国連平和維持活動参加法案の規定に基き、士官、軍人、国防職員のみならず、国家公務員さえも国連平和維持活動に参加することもできるとのことです。

さらに、法案はジェンダー平等の課題を組み込み、国連平和維持活動に参加する女性部隊に対し、優先的かつ奨励的な制度・政策に関する規定を追加することで、ベトナムのジェンダー平等に関する政策をより明確にしています。

ベトナムの国際的コミットメントを再確認

ベトナムは、国際社会の責任ある一員として、国連平和維持活動に積極的かつ主体的に参加しています。 ベトナムは、過去10年間余りにわたり、国連平和維持活動に参加したことによって、人道的使命を果たし、平和構築と持続可能な発展に貢献してきました。ベトナム平和維持局のファム・マン・タン局長は次ように明らかにしました。

（テープ）

「過去10年間の最も重要な成果は、ベトナムの平和維持派遣要員がどこへ行っても、良い印象を残し、現地住民との絆を深め、高度な専門性とプロ意識を示したことです。ベトナムの平和維持部隊は、現地住民に対して『ホーおじさんの部隊』というイメージを広めただけでなく、『青いベレー帽』の兵士のイメージを残しました」

一方、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、平和維持活動が国連とベトナムのパートナーシップに対する重要な柱であると確認すると同時に、ベトナムの平和維持部隊の顕著な貢献を高く評価しました。

（テープ）

「ベトナムは常に国連の重要なパートナーであり、国連平和維持活動において先駆的な役割として積極的に参加しています。ベトナムは持続可能な平和のために、重要な貢献を続けています」

国連平和維持活動への要員派遣は、ベトナムの正しい方針となっています。国連平和維持活動への参加のための包括的かつ完全な法的枠組みの整備は、ベトナムが世界の平和維持という使命に対して、より積極的かつ責任ある国際的コミットメントを果たすのに役立つということです。