ベトナム バクボ湾(トンキン湾)の基線 国際法に適合
(VOVWORLD) -ベトナムは、バクボ湾(トンキン湾)における領海の幅を測定するための基線に関連する海図と地理座標のリストを国連に正式に寄託しました。
(写真:外務省) |
国連のウェブサイトで公表された後、手続きが完了しました。この出来事は、国家主権を確認し、経済発展に役立つだけでなく、国際法に基づいて法的基盤の強化に向けてのベトナムの積極的な姿勢を示しています。
3月12日、国連事務総長から加盟国に発信した通知によりますと、3月7日にベトナムは、バクボ湾の本土領域の直線基線を決定する地理座標のリストと、この地域の領海の外側限界に関する海図を国連に寄託しました。これは1982年国連海洋法条約(UNCLOS 1982)第16条第2項に完全に適合しています。
ベトナムの基線に関する詳細情報は、国連のウェブサイトwww.un.org/Depts/los、および国連の公式出版物「海洋法ニュースレター」に掲載されています。
バクボ湾における基線設定の必要性
バクボ湾の基線を公表する前、ベトナムの本土沿岸の基線は1982年11月12日の政府宣言によって定められ、沿岸の島々と海岸線の最も突出した11地点(ポイント0からA11)を結ぶものでした。その中に、ポイント0はベトナムとカンボジアの歴史的水域の南西境界に位置し、最後のポイントA11は中部クアンチ省のコンコ島に位置しています。1982年の宣言では、バクボ湾の基線は未確定でした。2012年の海洋法第8条によりますと、政府は基線が未設定の海域において、基線を確定・公表するとしています。
実際、沿岸国、中でもベトナムにとって、基線が具体的に規定されていないことは、海域の境界と範囲が明確に定められていないことを意味します。これは、出入国管理、防疫、密輸、特に外国が関係する事案の処理に関し、海上での法執行と管理に困難をもたらすとみられます。
基線を確定することで、沿岸国は海域の範囲を明確に設定でき、国際法に基づいて自国の正当な権利を確保しつつ、他国の権利も尊重することができます。海洋経済の管理と発展の需要が高まる中、ベトナムが基線システムを完備することは不可欠であり、国際法に従ってベトナムの海域の境界と範囲を明確化することに貢献します。
ベトナムの基線の国際法への適合性
ベトナムのバクボ湾における基線システムは、直線基線と通常基線という2つの方法で確定されています。
バクボ湾の本土沿岸の基線は直線基線方式で確定されました。これは、バクボ湾のベトナム側沿岸の自然地形は、湾曲し、凸凹しています。沿岸に沿って島々が点在し、ハロン湾の最外郭の小島や岩礁が島の連なりを形成しているという自然地形の特徴によるものです。このような地理的・自然的特徴を考慮し、バクボ湾におけるベトナムの本土基線は、1982年国連海洋法条約(UNCLOS)第7条に適合する形で確定されました。
UNCLOS第7条では、海岸線が著しく不安定な場合、または深い湾入や複雑な入り組みがある場合、あるいは海岸に沿って島々の連なりがある場合に直線基線方式を適用できると規定しています。
バクロンビー島において、ベトナムは最低水位線を基準とする通常基線方式を適用しています。この適用方法は、領海の幅を測定するための通常基線を海岸に沿った最低水位線とする1982年UNCLOS第5条の規定に完全に適合しています。
直線基線と通常基線の2つの方法の適用は、UNCLOS第14条にも合致しています。同条では、沿岸国は状況に応じて、UNCLOS第5条と第7条に規定される一つまたは複数の方法で基線を設定できるとされています。これは、ベトナムが「海の憲法」と称されるUNCLOSを遵守・尊重する一貫した立場を示すものです。
バクボ湾におけるベトナムの基線設定は、ベトナムの約束に合致しており、UNCLOSやバクボ湾分界協定を含む、ベトナムが参加または加盟している国際条約に影響を与えるものではありません。
バクボ湾における基線の明確な設定と国連での寄託手続きの完了は、ベトナムの主権、権利、管轄権を保護・行使するための確固たる法的基盤を提供します。これは経済発展、海洋管理、国際協力の促進に寄与することが期待されています。