ベトナム東部海域を平和・安定・発展の海へ

(VOVWORLD) - ASEANと中国がCOC海上行動規範の制定に関する協議を始めることで一致したことは地域の平和維持に役立つ法的基盤づくりを促進させると期待されています。

先ごろフィリピンの首都マニラで開催されたASEAN=東南アジア諸国連合と中国の首脳会議では、双方は、ベトナム東部海域(南シナ海)での紛争防止を目的とする行動規範について、具体的内容の協議を始めることで合意しました。これは、同海域での紛争解決を目指す重要な節目となると期待されています。

ベトナム東部海域を平和・安定・発展の海へ - ảnh 1 ASEAN首脳会議

戦略的な海域

ベトナム東部海域の航行の自由と安全保障は常に、ASEANの優先的な課題です。今回フィリピンで開催されたASEAN首脳会議と関連各会議では、この課題は大きく取り上げられました。一方的な領有権主張や、この海の環境を破壊する行動などは、世界にとっても重要な位置を示しているこの海域の平和と安定を脅かしているからです。

今回のASEAN首脳会議と関連各会議では、1982年国連海洋法条約をはじめ国際法に従って紛争を平和的に解決することと、DOC=海上行動宣言を厳守すること、そして、COC=海上行動規範を早期制定することの重要性が強調されたほか、紛争解決へ向けてのASEANの中核的な役割が再確認されました。

特に、ASEANと中国の首脳会議では、ベトナム東部海域での環境保護に双方が協力してあたるとする声明が発表されました。声明は、同海域の海洋環境や資源保護のために、双方が国連海洋法条約などの国際法を順守するなどとしています。

そして、中国とASEANはCOC海上での行動規範の条文作成に向け、協議を始めることで合意しました。これは法的拘束力があるもので、この海域での紛争阻止、問題解決に寄与すると見られています。実質的な協議は、2018年にも始まる見通しです。

平和共存の原則

ASEANが創設されてからのこの50年、ASEANが収めてきた最も大きな成果は地域の平和と安定の維持であるといえます。今年の8月に行われたASEAN創設50周年記念式典で、ASEANのレ・ルオン・ミン事務局長は、ASEANは地域の平和と安定を維持するため、全ての国は大小を問わず、独立・主権・領土保全という原則を厳守した上で、共存するという方針を大切にしていると強調しました。ASEANはTAC東南アジア友好協力条約やDOC海上行動宣言などにより、地域の平和維持に役立つ法的基盤づくりに取り組んでいるとしています。

そして、今回、ASEANと中国がCOC海上行動規範の制定に関する協議を始めることで一致したことは地域の平和維持に役立つ法的基盤づくりを促進させると期待されています。

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