今年通年の経済成長目標に近づくベトナム

(VOVWORLD) -ベトナムの経済成長率は、2024年の第3四半期で7.4%に、また、年初以来の9カ月間で6.82%に達すると予測されています。
今年通年の経済成長目標に近づくベトナム - ảnh 1カライ港(ホーチミン市)でのコンテナの積み下ろし。(Hồng Đạt/TTXVN撮影)

北部の幾つかの省・市が9月初旬に発生した台風「ヤギ」の被害を受けたことを背景に、これらの成長率は、期待を超えています。特に、年初以来の9カ月間のGDP=国内総生産の伸び率(6.82%)は、昨年同期の4.4%を大きく上回っています。政治システム全体、地方、企業、および住民の努力により、ベトナムは2024年通年の経済成長率を6.5%∼7%にするという目標達成に近づいています。

この目標を達成するためには、第4四半期の成長率を7.5%とする必要があると指摘されています。第3四半期の成長率は高く、予想を大きく上回ったことに加え、年末までの数カ月間の経済見通しに対する専門家の前向きなコメントなどの有利な要素は、第4四半期の目標を達成するのに役立っています。

経済成長の目標を達成するための余地は十分ある

今年通年の経済成長目標に近づくベトナム - ảnh 2ビンディン・シーフード株式会社での輸出用冷凍マグロの加工
(Vũ Sinh/TTXVN撮影)

去る9月に、ベトナムの北部各省・市で発生した台風「ヤギ」は、甚大な人的物的被害を残しました。このような中、政府は、台風の被害を受けた企業や住民に対する複数の支援措置を講じてきました。これにより、被災地における社会経済状況は迅速に回復し、引き続き多大な成果を収めてきました。特に、工業生産や、輸出活動、および外国直接投資誘致などには多くの明るい兆しが見えています。同時に、マクロ経済が基本的に安定し、インフレが抑制され、貿易収支バランスが確保され、企業が引き続き発展するほか、社会保障、文化、教育、医療などの分野は好調になっているということです。

統計総局所属工業建設統計局のフィ・フォン・ガ局長は次のように評価しています。

(テープ)

「台風『ヤギ』は、北部の各省・市、とりわけ工業中心地である港湾都市ハイフォン市、クアンニン省に大きな被害をもたらしました。しかし、これらの地方にある企業は、顧客の注文を効率的に処理できるように様々な方策を主体的に講じてきました」

今年通年の経済成長目標に近づくベトナム - ảnh 3フォン次官( VGP撮影)

一方、計画投資省のチャン・コック・フォン次官は次のように明らかにしました。

(テープ)

「第3四半期と年初以来の9カ月の経済成長を踏まえ、計画投資省は、首相と政府に、7%の今年の通年経済成長目標を維持するよう提案します。可能であれば、7%を上回るように取り組むことも出来ます」

国際経済組織はベトナムの経済見通しを楽観視しています。フィッチ・レーティングスは中期的に6〜7%の成長を見込んでいます。WB世界銀行は今年の成長率を6.1%と予測しています

目標の達成に取り組む

今年通年の経済成長目標に近づくベトナム - ảnh 4政府会議の様子(TTXVN)

ベトナムの経済成長には多くの前向きな兆しがあったものの、今年通年の経済成長目標を達成するためには、社会全体の努力、各省庁・部局、地方の連携、および産業界の主体性と創造力が不可欠だと指摘されています。

去る10月7日に、ファム・ミン・チン首相は全国各地の行政府とオンラインで結んだ政府会議を主宰した際、次のように述べました。

(テープ)

「経済成長を加速させるには、三つの重要な施策があります。まず、国内市場の活性化と輸出市場の拡大です。次に、公共投資をさらに促進することです。そして、台風『ヤギ』の被害からの迅速な復興に取り組むことです。同時に、経済成長の障害となる制度的な問題を解決する必要があります。特に重要なのは、国民や民間企業から効果的に資金を調達できる仕組みを整えることです」

政府のタイムリーな指導に加えて、社会経済の安定化に関する方策などで、ベトナムは、今年通年の高い経済成長率を目指し、取り組んでいます。

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