気候変動対応のための国際社会の努力

(VOVWORLD) -これは、複数の多国間交渉の勝利であり、また、複数の国の国益譲歩によるものと評されています。
気候変動対応のための国際社会の努力 - ảnh 1       写真:ロイター

地球温暖化対策を話し合う国連会議「COP24」は、温室効果ガスの削減を途上国にも義務付ける「パリ協定」を実行するルールについて大枠で合意しました。これは、複数の多国間交渉の勝利であり、また、複数の国の国益譲歩によるものと評されています。しかし、気候変動対応事業の今後の道のりが容易でないことも予測されています。

2020年以降の国際的な地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」の実施指針採択を目指すCOP24=国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議は12月2日から、ポーランド南部カトウィツェで開催されました。

重要な結果

国連は、COP24を気候変動対応事業に関する最も重要な会議とみなしています。というのは、2年後、パリ協定が発効されますが、施行細則がまだ定められていないからです。パリ協定は、京都議定書に続く国際協定として2015年のCOP21で採択されました。全ての国が温室効果ガスの排出削減に取り組み、世界の気温上昇を産業革命前から2度未満とすることを目指すほか、1・5度に抑える努力目標も併記します。パリ協定では各国が自主的に温室効果ガスの排出削減目標を定めます。実施指針は目標に盛り込むべき要素や達成状況の報告の仕方などについての共通ルールで、国際社会が取り組みをチェックする基準となります。

今回のCOPがルール作り交渉の期限ですが、過去の排出責任や長期的な資金援助を巡る先進国と途上国の対立を背景に、交渉は難航しました。特に、意見が対立する事案もあり、会議を1日延長しました。しかし、国連を含め関係者の努力により、重要な合意が達成されました。15日、2020年以降の温暖化対策の枠組みであるパリ協定を実行するために必要なルールが話し合われ、各国が合意して採択されました。合意したルールでは、温室効果ガスを削減する目標がどれだけ達成されたかを検証する方法を先進国と途上国で統一し、途上国側にも情報公開を求めます。

試練が山積

しかし、このルールの履行は容易ではないと予測されています。COP24ではルールが採択されましたが、地球温暖化を食い止める上では課題が残されています。  パリ協定は、先進国だけに温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書とは異なり、発展途上国を含むすべての国が削減に取り組むことを定めた枠組みです。  しかし、去年6月、中国に次ぐ世界第2位の温室効果ガスの排出国アメリカのトランプ大統領は、パリ協定から脱退する方針を表明しました。

アメリカは、今回の交渉でも脱退の方針に変わりはないことを強調しました。アメリカの脱退は、規定により、早くても再来年11月4日以降ですが、アメリカが抜ければパリ協定の実効性を欠くことになるだけでなく、追随して温暖化対策に後ろ向きな国が増えることも懸念されています。

COP24は重要な結果を収めました。困難や、対立意見が残しながらも、今回の会議の結果により世界は、気候変動対応において、一歩前進しました。

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