2016年の国会の立法計画を実現して、政府監査機関は汚職防止法改正案に対する各省庁の意見集約を行なっています。汚職防止法の改正は汚職防止対策を断固として実施し、経済社会に健全な環境をつくるというベトナムの党と国家の決意を示すとみられます。
汚職防止状況を総括する会議
2006年6月1日、発効した汚職防止法は汚職の予防、摘発を目指す全面的な解決策となり、国家管理体制の充実に寄与してきました。しかし、発効から10年を経て、同法のいくつかの条項は汚職防止対策の実状に見合わなくなったことから、汚職防止法の改正は緊急な課題となっています。
実状に見合う汚職防止法の改正
ベトナムは汚職防止を強化する決意を掲げて、複数の法律文書や政策を公布し、汚職防止対策に法的裏づけを作り出し、汚職の抑制に寄与してきました。国家管理の効果向上や経済社会発展、経営環境の改善を目指して、政府は汚職防止法改正案の作成を進め、国会に提出する計画です。監査科学研究院のディン・バン・ミン副院長は次のように語りました。
(テープ)
「汚職防止法の実施で一定の成果を収めましたが、弱点も見せました。大規模な汚職事件を処理できるような機関を充実させ、コミュニティ、国民の役割を発揮する必要があると思います。これにより、汚職防止法を効果的に実施できるでしょう。また、同法の効果を客観的に評価するとともに、不健全な行為と断固として戦う必要があります。」
汚職防止対策は複雑かつ困難な問題で、緊急でありながら長期的な任務であり、全政治システムと社会全体の参加を必要としています。さきほどの監査科学研究院のディン・バン・ミン副院長は次のように述べています。
(テープ)
「以前は汚職防止法令しかなかったが、現在は汚職防止法が整備され、腐敗の防止に関する国連条約に合致しています。現在、党決議や国家戦略などには汚職予防は長期的かつ基本的な解決策であると定められています。」
汚職防止法の調整範囲を拡大
現在、汚職防止法の改正は世論の注目を集めています。先頃、政府監査機関が発表した調査結果によりますと、調査対象者の87%以上は汚職行為の処理に関する規定を補足する必要があると答えました。また、規定の施行の監視・監査体制をつくる必要があるとしています。さらに、予防措置を重要視し、汚職防止法の効果を向上させ、腐敗の防止に関する国連条約に見合うものにすることが狙いです。
一方、汚職事件が発生した場合、機関や組織の最高責任者の責任を問うことに関する条項を完備する必要があるとの意見が相次ぎました。政府監査機関・法整備局のグエン・トゥアン・アイン副局長は次のように語りました。
(テープ)
「法律の全面的な改正に際し、最高責任者の行政的処理や刑事以外の処理は明確に規定する必要があります。この前、同問題を解決するため、他の法律文書を引用しなければなりませんでした。今回、予防対策の条項には最高責任者の責任に関する規定が盛り込まれます。」
実際、汚職防止対策は緊急であり、長期的な任務であることから着実に実施しなければならないとしています。また、汚職防止の効果は法整備によるところが大きいといえます。