2025年6月23日、タイのペートンタン・シナワトラ氏(前列右から2人目)、首相在任時にバンコクで記者団に発言(写真:THX/TTXVN)

タイの憲法裁判所は29日、職務停止中だったペートンタン首相について、倫理規定違反を理由に失職を認めました。ペートンタン氏はタイ史上最年少の首相で、就任からわずか1年での失職となり、新たな政局混乱を招く可能性があります。

問題となったのは、ペートンタン氏が6月15日にカンボジアの実質的な最高権力者フン・セン氏と行った電話会談です。会談内容が流出し、ペートンタン氏がフン・セン氏にへりくだった態度を示し、タイ軍高官を批判していたことが明らかになりました。憲法裁は、この会話が倫理規定違反に当たると判断しました。

裁判官9人のうち6人が失職を支持しました。声明では「ペートンタン氏は国家の利益よりも自身の利益を優先し、国の評判を損ない、国民の信頼を失わせた」と指摘し、「カンボジアと個人的な関係を優先し、常にその意向に沿って行動しようとした」と断じました。

この決定を受けて国会は新首相を選出する必要がありますが、選出手続きは長期化する可能性があります。新首相が決まるまで、プムタム副首相が暫定的に政権を率います。

首相候補にはプラユット元首相、アヌティン前副首相、タイ貢献党のチャイカセム元法相ら5人が名前を挙げられています。ただ、最大与党であるタイ貢献党は今回の決定で影響力が低下し、連立政権の維持に苦慮するとみられます。

チュラロンコーン大学のスティトン・タナニティチョット教授は「新首相の任命は困難で、かなりの時間を要する可能性がある。各党の利害を調整するのは容易ではなく、タイ貢献党は不利な立場に追い込まれるだろう」と分析しています。(ロイター)