去年再開したイスラエルとパレスチナの中東和平交渉は29日に交渉期限を迎えましたが、両者の対立が深まるなか、和平合意はおろか、交渉の継続すら困難で、事実上の決裂状態に陥っています。アメリカのオバマ大統領も「一時的な停止が必要な時が来るかもしれない」と述べ、交渉中断の可能性も示唆しました。

中東和平交渉は去年7月、およそ3年ぶりに再開しましたが、目標として掲げた和平合意には至らず、成果を出せないまま29日に9か月間としていた交渉期限を迎えました。交渉は聖地エルサレムの帰属など主要な争点を巡って両者が譲歩せずに開始早々から難航し、仲介役のアメリカは合意の方向性を示す「枠組み」を提示することなどで交渉の延長を試みてきました。
行き詰まり
しかし、イスラエルが先月、交渉の再開に際して約束した収監中のパレスチナ人の釈放を見送ったことにパレスチナ側が反発し、イスラエルが「テロ組織」とみなすイスラム原理主義組織ハマスとの和解を進めるなどの措置を相次いで打ち出しました。
これに対しイスラエル政府は交渉を中断すると発表しています。仲介役のアメリカ政府は現 時点で交渉を打ち切るかどうかの態度を明らかにしていませんが、当事者どうしの不信感が深まるなか仲介は難しく、半世紀以上にわたって続く問題の解決はさ らに遠のいています。
悪効果
アッバス自治政府議長の立場に関して、パレスチナ人の政治評論家ジハード・ハーブ氏は「和平交渉は行き詰まり、ユダヤ人入植地は増え続け、自治政府への批判は高まるばかり。団結を呼びかけ、市民の支持を集めようとしている」と分析しています。
一方、アメリカのケリー国務長官は8日、上院外交委員会で証言し、難航する中東和平では親密国のイスラエルを批判しました。ケリー氏はイスラエルがさらにユダヤ人入植地の入札手続きを始めたことや、約束した収監中のパレスチナ人を釈放していないことを取り上げ「それがこの結果だ」と、こじれた原因を作ったのはイスラエル側だったとの見方を示唆しました。
ケリー国務長官は24日、「和平の可能性への責任を放棄することはない」と述べ、交渉期限延長に向けパレスチナ、イスラエル双方が歩み寄るよう求めましたが、アナリストらは、イスラエルとパレスチナが立場の隔たりを埋め、交渉を再開するまでは遠い道のりだ」と懸念しています。
