トー・ラム書記長

2011年に補足された「社会主義への過渡期における国家建設の綱領」が示す社会主義の特性を実現するためには、人間の物質的生産活動が決定的な要素であり、生産性の高さがカギとなっています。

中国やロシアにおける民間経済の発展、またベトナムにおける40年間のドイモイ=刷新を通じて、極めて貴重な教訓が得られています。論考では、正しいビジョンと政策のもとで、社会主義志向の市場経済体制において民間経済を発展させることが、物質的生産を促進し、社会の変革をもたらすとともに、技術水準の向上や職業訓練、資本吸収力の強化、生産性の向上、そして社会主義の物質的・技術的基盤の構築に向けた“突破口”となる、生き残りをかけた選択であると強調しています。

トー・ラム書記長は、民間経済を発展させるためには、社会主義志向の市場経済体制を引き続き完成させることが、最も重要かつ核心的な課題であるとし、思考、認識、行動において画期的な転換が必要だとの見解を述べました。

5月4日、政治局は民間経済の発展に関する決議68号(68-NQ/TW)を発出しました。この決議には、これまでに例のない目標、観点、任務、そして突破口となる方策が盛り込まれており、社会主義志向の市場経済における民間経済発展に対する党の新たな考え方が明確に打ち出されています。

トー・ラム書記長は、この決議を成功裏に実現するために、以下の4つの主要任務を提示しました。

第一に、党の決議を速やかに現実の生活に落とし込むことです。第15期国会第9回会議において、民間経済の発展に関する決議を審議・採択し、具体的で実行可能かつ効果的な優遇措置や政策が盛り込まれる予定です。また、ファム・ミン・チン首相をトップとする国家レベルの指導委員会を設置し、毎月、定期的に各省庁・地方行政府の実施状況を点検・督促します。さらに、企業を「管理」の対象ではなく「支援・サービス提供」の対象として捉え、行政の考え方を「管理から伴走へ」と根本的に転換することが求められています。

第二に、党の方針を速やかに法制化し、その厳格な実施を確保することです。民間経済発展法の策定を検討するとともに、関連する法規の改正・補足を進め、公正な競争体制を整備します。また、投資促進と金融支援の仕組みを構築し、金融機関に対して民間経済に適した信用評価制度の導入と資金支援を求めます。さらに、科学技術の発展を奨励し、民間企業が国家的な重点プロジェクトを主導できるように支援し、イノベーション研究基盤の整備も進めます。

第三に、小規模・零細企業への支援に重点を置き、起業家精神や自立への志を持った社会の形成を促進します。特にイノベーション分野における支援を重視し、中小企業向けの特別融資パッケージを国家信用保証基金を通じて早急に展開します。また、ハイテク工業団地内においてスタートアップ向けに優先的に5〜10%の用地を確保し、優遇価格で賃貸します。さらに、全国規模で法制度の「サンドボックス」モデルを拡大し、フィンテック、AI、スマート農業などの分野で、法的保護を明確にした実証実験を可能とします。

第四に、企業家を経済の最前線で活躍する「戦士」として位置づけ、政策の立案にも実質的に参画できる体制を整えることです。企業家が政策に対する提言を積極的に行い、戦略策定・実施に貢献できるよう環境を整備します。各省庁が法律や政令を策定する際には、国民や企業、特に実務に通じた企業家の意見を聞き取る必要があります。

チョン書記長は、ベトナムが決議68号を確実に成功させ、民間経済を相応しい水準へと発展させることで、国家経済の持続的かつ強靭な発展を支える主要な原動力、柱となることに強い期待を示しました。そして、「豊かな国民、強固な国、民主的で公正な文明社会」であるベトナム社会主義国家を構築するという国民の願いを現実のものにするという決意を表明しました。