金与正(キム・ヨジョン)党副部長(写真:REUTERS/Jorge Silva/Pool)

朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹である金与正(キム・ヨジョン)党副部長は、28日付で発表した談話の中で、米朝関係について「核を保有する二つの国が対決の方向に進むことは決して有益ではない」と述べ、対話の可能性に含みを持たせました。談話は29日、朝鮮中央通信を通じて伝えられました。

一方で、金副部長は、朝鮮の非核化を目的とするいかなる交渉にも応じないという立場をあらためて強調し、「我が国の核保有国としての地位を否定しようとするどのような試みも、徹底的に排撃される」として、ホワイトハウスのレビット報道官による「非核化のための対話に応じる用意がある」との発言を強く批判しました。

ただし、「他の接触の入り口を模索するのが良い」との表現も使っており、非核化が前提でない形での米朝接触の可能性を示唆した形となっています。

また、金副部長は「金正恩総書記とトランプ大統領の個人的な関係が悪くないという事実を否定するつもりはない」と述べた上で、「その関係が非核化という目的と同じ線上に置かれるとすれば、それは相手に対する愚弄にほかならない」とも強調しました。

トランプ前大統領は2018年から2019年にかけて金正恩氏と3度にわたり会談しましたが、非核化交渉は決裂に終わっています。現在、トランプ氏は再び朝鮮との対話に意欲を示していますが、朝鮮側はその前提条件について引き続き強硬な姿勢を取っているとみられます。(毎日新聞)