欧州連合(EU)のカヤ・カッラス外務・安全保障政策上級代表(左)と欧州委員会のマロシュ・シェフチョビッチ貿易担当委員(写真:REUTERS/Yves Herman) |
EUとインドは自由貿易協定(FTA)の締結に向けた最終協議に入っており、年内合意を目指しています。交渉は2022年に再開され、アメリカのトランプ大統領の復帰によって加速しています。双方がアメリカの関税措置に対応するため、新たな連携先を急いで模索していることが背景にあります。
ただ、インドはEUとの将来的な関係に期待を寄せながらも、ロシアや中国との関係にも目を向けています。ロシアによるウクライナへの軍事行動後、インドはロシア産原油の購入を拡大しており、最近では上海協力機構(SCO)首脳会議が開かれた中国で、モディ首相とプーチン大統領が親密さを示す場面もありました。
一方、アメリカは主要7カ国(G7)とEU諸国に対して、ロシア産原油を購入するインドや中国に追加関税を課すよう求めています。
こうした中、EUのカラス外交安全保障上級代表は、EUとインドには協力深化の障害となる「意見が対立する明確な分野」が存在すると認めつつも、EUとしてはインドを「ロシア陣営」に追いやることは避けたいと強調しました。カラス氏は「問題はこの溝を他者が埋めるのか、それともわれわれが努力して埋めるのかだ」と述べました。
今回の計画文書では、欧州委はインドをルールに基づく多国間秩序を担う一員とみなし、2030年に世界第3位の経済大国になる見通しのインドの高成長がもたらす効果を享受したいとしています。また、EUがロシアの軍事力を抑制し、制裁回避を防ぐためにもインドとの関係を一層深める方針が示されました。
今後、EUとインドは投資保護や航空輸送の増強、サプライチェーンの確保、グリーン水素開発、重工業の脱炭素化、研究開発やイノベーションなどに関する合意に向けた協議を進めるとしています。(ロイター)

