2010年8月21日、テヘランの南約1200キロに位置するブーシェフル原子力発電所(写真:REUTERS/Raheb Homavandi)

イランのアラグチ外相は5日、国際原子力機関(IAEA)と9月に結んだ核査察再開の基本合意について、「もはや効力がない」と述べました。イランのメディアが伝えたもので、核問題を巡る対イラン国連制裁の再発動に対する報復措置とみられています。

アラグチ氏はIAEAとの協力体制について、今後正式に発表すると述べました。イランの国防・外交政策全般を統括する最高安全保障委員会(SNSC)は、国連制裁が再発動された場合にはIAEAとの協力を停止する方針を明らかにしていました。

アラグチ氏はまた、イランの核開発の完全停止を求めるアメリカに対して、「双方に有益な交渉を行うためであれば、外交の機会は生まれるかもしれない」と述べました。ただし、国連制裁の再発動によって、核協議の実現はより困難になるとの見方を示しました。

IAEAは6月、イスラエルによるイラン攻撃で安全上のリスクが高まったことから、イランの核施設への査察ができない状況となっていました。その後、イランはIAEAとの協力を一時停止する法律を施行しましたが、9月上旬にはIAEAと核査察再開に向けた基本合意に達していました。(日本経済新聞)