2025年10月13日、マダガスカルのアンドリー・ラジョエリナ大統領が演説する(写真:THX/TTXVN)

アフリカの島国マダガスカルで、軍精鋭部隊CAPSATのミシェル・ランドリアニリナ大佐は14日、国営ラジオを通じて「われわれは権力を掌握した」と宣言し、国外に逃亡したアンドリー・ラジョエリナ大統領(51)が失脚し、軍が国家権力を握ったと発表しました。その上で、国民議会下院を除く全ての国家機関の機能を停止すると表明しました。

ラジョエリナ氏は、Z世代(1990年代後半~2000年代前半生まれ)が主導した反政府デモが激化し、軍からの離反が広がる中でも退陣を拒否していました。

ランドリアニリナ氏は記者団に対し、軍が主導する委員会が最大2年間にわたり暫定政府とともに国を統治すると説明しました。声明では、機能を停止する国家機関として「(国民議会)上院、高等憲法裁判所、独立国家選挙委員会、高等裁判所、人権・法統治防衛高等評議会」を挙げました。

ラジョエリナ氏が下院の解散を企てたのに対し、下院議員らは弾劾決議の採決を強行しました。これにより憲法上の膠着状態が生じ、軍が政権掌握を宣言する事態となりました。

ラジョエリナ氏が2009年に権力を掌握した際にもCAPSATが主導的役割を果たしましたが、ランドリアニリナ氏は先週、ラジョエリナ氏との決別を表明していました。

ラジョエリナ氏は13日夜の国民向け演説で、自身の生命が脅威にさらされたため安全な場所へ避難せざるを得なかったと説明しました。野党関係者や外国の外交官は、同氏がフランスの軍用機で国外に逃亡したとロイターに明らかにしました。

マダガスカルでは9月25日に停電や断水への反発からデモが発生し、政府の腐敗や悪政、国民への基本的サービスの欠如といった広範な不満を背景に反政府運動へと発展していました。

14日には首都アンタナナリボの「5月13日」広場で数千人が集まり、踊りや行進、歌、横断幕を通じてラジョエリナ氏への批判を展開しました。ラジョエリナ氏が旧宗主国フランスとの二重国籍であり、フランスの支援を受けて国外逃亡したことを受け、「フランスの傀儡だ」と非難する声も上がりました。

参加者の多くはマダガスカル国旗や、日本のアニメ「ワンピース」のキャラクターを掲げていました。

マダガスカルの人口は約3000万人で、国民の年齢の中央値は20歳未満と若年層が多く、国民の約4分の3が貧困状態にあります。世界銀行の統計によると、2020年の1人当たりの国内総生産(GDP)は、フランスから独立した1960年と比較して45%減少しています。(ロイター)