中国・長江にある三峡ダムは、現在世界最大の設置容量を誇る水力発電所である(写真:新華社)

このプロジェクトは、長江の三峡ダムに次ぐ、中国で最も野心的な水力発電事業とされ、景気刺激策の一環とみなされています。この発表を受けて、21日の中国国内市場では株価が上昇し、債券利回りも上昇する動きを見せました。

建設が進められるダムの年間発電能力は3000億キロワット時にのぼり、これはイギリスが昨年1年間に消費した電力量に相当します。建設地はチベット自治区を流れるヤルンツァンポ川の下流に位置しています。

インドとバングラデシュはすでに、下流に暮らす数百万人の人々への影響を懸念しており、非政府組織(NGO)も環境へのリスクについて警告を発しています。

一方で中国政府は、このダムが下流の水供給や環境に深刻な影響を与えることなく、チベットや中国全土の電力需要を補う役割を果たすとしています。操業の開始は2030年代になる見通しです。

上海に拠点を置く投資管理会社「卓鋳投資管理」のパートナーであるWang Zhuo氏は、「投資の観点から見ると、成熟した水力発電プロジェクトは債券のように安定した配当を生む」と述べたうえで、「関連銘柄への投機的な買いがバリュエーションの過熱を招くおそれがある」と注意を促しています。

また、華泰証券は顧客向けのノートで、「このプロジェクトは、セメントや土木用爆薬といった建設・建築資材の需要を押し上げる可能性がある」と指摘しています。(ロイター)